飛鳥観光スポット|奈良県古代史巡りの旅
のどかな田園に点在する謎めいた石造物、緑の丘に眠る古墳、復元された宮殿の跡——奈良県の明日香村(あすかむら)は、6〜7世紀に都が置かれた「飛鳥時代」の中心地です。聖徳太子が活躍し、大化の改新が行われ、日本という国家の基礎が形づくられた、まさに「日本の心のふるさと」。今ものどかな風景のなかに、古代のロマンが色濃く息づいています。
日本国家誕生の地
飛鳥は、推古天皇の時代から約100年にわたり、たびたび都が置かれた古代日本の政治・文化の中心地です。この地で聖徳太子が冠位十二階や十七条憲法を制定し、645年には中大兄皇子と中臣鎌足による「大化の改新」が始まりました。中国大陸や朝鮮半島の文化を取り入れながら、律令国家の基礎が築かれた、日本史の原点ともいえる場所です。
村内には、亀の形をした「亀石」、不思議な彫刻の「酒船石(さかふねいし)」など、用途や由来が今なお謎に包まれた石造物が点在しています。田んぼの畦のすぐ横に、そうした遺跡がぽつんと置かれているのが飛鳥らしい光景です。
2,300トンの巨石が積まれた石舞台古墳
飛鳥観光のハイライトは、何といっても石舞台古墳です。盛り土が失われ、横穴式石室がむき出しになった独特の姿で、内部に入って見学できます。
見どころは、その石の大きさと量。石室は30数個の巨石を積み上げてつくられており、総重量は約2,300トンにおよびます。とくに天井石は1つで約77トンあり、重機のない時代にどうやってこれを持ち上げたのかと、誰もが石室のなかで天井を見上げることになります。
被葬者は明らかになっていませんが、蘇我馬子(そがのうまこ)とする説が有力です。『日本書紀』には蘇我馬子を「桃原墓(ももはらのはか)」に葬ったという記述があり、この桃原墓が石舞台古墳ではないかと考えられています。
高松塚古墳とキトラ古墳
極彩色の壁画で知られる「高松塚古墳」と「キトラ古墳」は、飛鳥時代末から奈良時代初めの文化を今に伝えます。高松塚古墳では1972年(昭和47年)に彩色壁画が発見され、国宝に指定されました。「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像や、四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)が描かれています。
ただし、本物の壁画は現在も修復中で公開されていません。見学は隣接する高松塚壁画館での精巧な模写や復元模型が中心になります。キトラ古墳のほうは、壁画体験館「四神の館」で高精細な映像や実物大の再現展示を無料で見学できます。実物が見られないぶん、この2館で予習してから墳丘に立つと、風景の見え方が変わります。
訪問の実用情報
- 石舞台古墳:入場料は大人500円、小〜高校生200円、未就学児無料(30名以上の団体は大人400円・小〜高校生100円)。9:00〜17:00(最終入場16:45)、年中無休
- 石舞台古墳の駐車場:普通車500円、中型2,000円、大型3,000円。5月2日〜6月は普通車1,000円になります
- 飛鳥寺(飛鳥大仏):拝観料は一般・大学生500円、中高生300円、小学生250円。4月1日〜9月30日が9:00〜17:30(受付17:15まで)、10月1日〜3月31日が9:00〜17:00(受付16:45まで)。年中無休、駐車場あり。所在地は明日香村飛鳥682
- 高松塚壁画館:一般300円、大学・高校生130円、中学・小学生70円。9:00〜17:00(入館16:30まで)
- キトラ古墳壁画体験館 四神の館:入館無料。9:30〜17:00(12月〜2月は16:30まで)
- 上記2館の休館日:12月29日〜1月3日と、4月・7月・11月および2月の第2月曜日(祝日の場合は翌日)
- 国営飛鳥歴史公園館:2026年4月1日からリニューアル工事のため休止中です
- 拠点駅:近鉄吉野線「飛鳥駅」または「橿原神宮前駅」
- レンタサイクル:明日香レンタサイクルは営業時間9:00〜17:00。1日1台あたり自転車が平日900円・土日祝1,000円、電動アシスト自転車1,500円、原付バイク2,000円。営業所は飛鳥駅前・亀石・石舞台・橿原(近鉄橿原神宮前東出口付近)の4か所で、別の営業所での乗り捨ては1台200円、配車も1台200円です
- 所要時間の目安:石舞台古墳と飛鳥寺だけなら半日。高松塚・キトラまで足をのばすなら丸一日みておくと安心です
- 雨天時:石造物や古墳はすべて屋外です。雨の日は高松塚壁画館やキトラ古墳壁画体験館「四神の館」といった屋内施設を軸に組み立て直すとよいでしょう
- 足もと・服装:史跡をつなぐ道は土や砂利が中心で、石室の内部も足場が整っているわけではありません。歩きやすい靴で。開けた田園を自転車で走るため、日よけと飲み物も忘れずに
- ベビーカー・車椅子:屋外の史跡は未舗装の道が多く、ベビーカーは押しにくい場面があります。抱っこひもの併用が現実的です
- 混雑を避けるには:桜と彼岸花の時期の週末は駐車場が混みます。朝いちばんに石舞台古墳へ向かうと落ち着いて見学できます
- マナー:史跡の周囲は現役の農地です。畦道を通るときは、農作業や私有地への配慮を忘れずに
- 予算の目安:石舞台500円+飛鳥寺500円+高松塚壁画館300円+レンタサイクル1,000〜1,500円で、大人ひとり2,500〜3,000円ほど
📚 情報の参照元
石舞台古墳の入場料・開園時間・駐車場料金・石室の総重量や天井石の重さ・被葬者をめぐる『日本書紀』の記述、および飛鳥寺の拝観料と季節別の拝観時間は、明日香村観光サイトの各スポット紹介ページで確認しました。高松塚壁画館とキトラ古墳壁画体験館「四神の館」の開館時間・休館日・入館料、高松塚古墳の壁画発見年、国営飛鳥歴史公園館の休止については国営飛鳥歴史公園の公式サイトによります。レンタサイクルの料金・営業時間・営業所・乗り捨て料金は明日香レンタサイクルの公式案内を参照しました。料金・開館時間・工事の状況は変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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