柳井観光|金魚ちょうちんと白壁の街・醤油文化を巡る
山口県柳井(やない)市は、江戸時代に瀬戸内海交易で栄えた商人町の面影を残す、白壁の街並みが魅力の町です。なかでも愛らしい郷土玩具「金魚ちょうちん」は柳井のシンボルとして親しまれ、醤油や甘露醤油の産地としても知られる、歴史と文化が香る瀬戸内の町として人気を集めています。
白壁の町並みと柳井の歴史
柳井は室町時代から瀬戸内海の港町として発展し、江戸時代には岩国藩の御納戸(おなんど)として商業で大いに栄えました。「柳井市古市金屋(ふるいちかなや)」地区には、白漆喰の壁と格子戸を備えた重厚な商家が連なり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。当時の豪商の暮らしを伝える建物が、往時の繁栄を物語ります。
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金魚ちょうちんと醤油文化
柳井名物の「金魚ちょうちん」は、青森のねぶたをヒントに江戸末期に生まれたといわれる郷土玩具です。竹ひごと和紙で作られた、ぷっくりと丸い赤い金魚の姿が愛らしく、夏には町中に飾られて涼やかな風景をつくります。
また柳井は古くからの醤油の産地で、もろみを二度仕込む独特の「甘露(かんろ)醤油」が名産。白壁の町並みには、昔ながらの醤油蔵や商家を活用した資料館もあります。
金魚ちょうちんの由来と復活の物語
柳井市によると、金魚ちょうちんは今からおよそ150年前、幕末のころに柳井の商人が子どもたちのためにつくり始めたと伝えられています。金魚をかたどった形に、柳井の伝統織物「柳井縞」の染料を用いて色をつけたのが始まりとされ、夏祭りの際には子どもたちが火をともした金魚ちょうちんを提げて町へ出かけたといいます。考案したのはろうそく屋を営んでいた熊谷林三郎で、青森県弘前市の「金魚ねぷた」をヒントにしたと伝わります。
その後、林三郎の息子・定治が看板屋を営みながら製作を続け、定治から作り方を習った長和定二が第二次世界大戦のころまで手がけました。しかし戦後、製作はいったん途絶えてしまいます。ふたたび灯がともったのは昭和37年(1962年)のこと。上領芳宏さんが技を受け継いで復活させ、戦後に加えられた独自の技法とともに、現在の姿へと受け継がれてきました。一度は消えかけた郷土玩具が、今では柳井を代表するシンボルになっているのです。
祭りの夜の見どころ
柳井金魚ちょうちん祭りの最大の見どころは、会場を練り歩く巨大な「金魚ねぶた」です。ゆらゆらと揺れながら進む大きな金魚のまわりを金魚ちょうちん踊りの列が彩り、白壁江戸祭りもあわせて行われます。さらに、ルーツにあたる青森県弘前市からは「弘前ねぷた」が来柳して運行され、津軽と瀬戸内が金魚を通じてつながる、この祭りならではの光景が生まれます。
祭り当日は町なかの約2,500個の金魚ちょうちんに灯りがともり、白壁の町並みがやわらかな赤い光に包まれます。なお、灯りがともるのは祭りの日だけではありません。柳井市によれば7月中旬から8月末まで、毎晩19時から22時にかけて点灯されるため、祭り当日の混雑を避けてゆっくり眺めたい人は、この期間の夜に訪ねるという選択肢もあります。
白壁の町並みで立ち寄りたい場所
祭りの舞台となる白壁の町並みは、昭和59年(1984年)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された「柳井市古市金屋(ふるいちかなや)伝統的建造物群保存地区」です。柳井市の説明では、中世の町割りが今も生きており、約200mの街路の両側に江戸時代の商家の家並みが続きます。藩政時代には岩国藩の納戸としての役割を担い、産物を満載した大八車が行き交ってにぎわった町筋でした。
この通り沿いには、国森家住宅、商家博物館「むろやの園」、甘露醤油資料館、「やない西蔵」、しらかべ学遊館、町並み資料館といった見学施設が集まっています。なかでもやない西蔵では金魚ちょうちんの製作体験ができ、自分で仕上げた一つを土産に持ち帰れます。町歩きと体験を組み合わせれば、金魚ちょうちんの世界をより深く味わえるはずです。
訪ねるときのコツ
金魚ちょうちんの撮影は、灯りがともって空にまだ少し青が残る日没直後がねらい目です。ちょうちんの赤と藍色の空とのコントラストが際立ち、白壁もやわらかく光を受けます。祭り当日は人出が多いため、三脚で通路をふさがない、立ち止まる場所を選ぶといった配慮を。白壁の町並みは今も人が暮らし、商いを営む町ですので、住宅や商家の敷地には無断で立ち入らないでください。静かな平日の昼間に訪ねれば、格子戸や漆喰壁のディテールをじっくり味わえます。
ベストシーズンとアクセス
8月に開かれる「金魚ちょうちん祭り」では、数千個の金魚ちょうちんが町を彩り幻想的。白壁の町歩きは四季を通じて楽しめます。
アクセスはJR山陽本線の柳井駅から白壁の町並みまで徒歩約10分。広島方面からも電車でアクセスできます。町並みには金魚ちょうちんの絵付け体験ができる店もあり、世界に一つの自分だけの金魚ちょうちんを作って持ち帰れるのも、柳井観光ならではの楽しい思い出になります。
訪問の実用情報
柳井金魚ちょうちん祭り(2026年)
- 開催日:2026年(令和8年)8月13日(木)(第35回)
- 時刻:柳井市の発表では16:00〜21:00
- 会場:JR柳井駅前〜白壁の町並み一帯(柳井市中央〜柳井津)、麗都路通り一帯
- 見どころ:最大の見どころは会場を練り歩く「金魚ねぶた」。金魚ちょうちん踊り、白壁江戸祭りのほか、青森県弘前市から「弘前ねぷた」が来柳して運行されます
- 最寄り駅:JR柳井駅から徒歩1分。車は山陽自動車道 玖珂ICから約20分
- 雨天時:雨天の場合は一部イベントが中止となります
- 金魚ちょうちんの装飾:祭り当日だけでなく、7月中旬〜8月末の19:00〜22:00に町なかで点灯されます。祭り当日は約2,500個に灯りがともります
やない西蔵(金魚ちょうちん製作体験)
- 金魚ちょうちん製作体験:中サイズ1,000円/小サイズ900円(2025年4月1日改定)、所要時間 約30分、受付時間 9:00〜16:00
- そのほかの体験:柳井縞製作体験 500円・約30分・13:00〜16:00/染色体験 500円〜・約1時間・13:00〜16:00
- 予約:10名以上は事前予約が必要です
- 入館料:無料(ギャラリー・休憩所併設)
- 連絡先:0820-23-2490
※祭りの駐車場・シャトルバス・交通規制、屋台の出店状況については公式で公表されていません。開始時刻も出典により16:00/16:30と表記が分かれるため、訪問前に柳井市の公式サイトでご確認ください。
(出典:柳井市公式サイト、山口県観光公式サイト おいでませ山口へ)
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