あご野焼き
あご野焼きは、島根の言葉でトビウオを指す「あご」を使った松江の伝統的な練り物です。飛び魚のすり身に地酒を練り込み、竹の芯に巻きつけて炭火でじっくりと焼き上げます。氷のない時代、漁師が浜で焼いて持ち帰った保存食が始まりとされ、かまぼこの原型ともいわれています。
見どころ
あご野焼きの大きな特徴は、江戸時代から出雲地方に伝わる調理酒「地伝酒」を練り込むこと。これが独特の旨味とふくよかな香りを生み出します。炭火で丁寧に焼かれた表面はこんがりと香ばしく、中はふんわり。かつては初夏になると蒲鉾屋の軒先から焼く香りが漂い、松江の風物詩でした。切って炙れば、香りがいっそう引き立ちます。
季節の楽しみ方
原料の飛び魚は初夏から夏にかけて日本海で豊富に獲れ、この時期がまさに旬。とはいえ完成品は保存性が高く、通年で味わえます。夏は冷やして地酒とともに、冬は軽く炙って熱々をいただくのがおすすめ。おやつにも酒の肴にもなる、懐の深い一品です。
アクセス・基本情報
あご野焼きは松江市内の蒲鉾店や土産物店、JR松江駅周辺の特産品売り場で購入できます。老舗の製造元では、伝統の炭火焼きにこだわった品を手に入れることもできます。松江観光の土産としても人気が高く、日持ちする点も魅力です。
ひとことアドバイス
あご野焼きは軽く炙ると香ばしさが増し、風味が格段に引き立ちます。わさび醤油を少し添えると味に奥行きが出ます。厚めに切って食感を楽しむのも、薄めに切って上品にいただくのも、それぞれのおいしさがあります。