鳥取県二十世紀梨|生産量日本一の産地で食べ方・旬の時期を解説
鳥取県は「二十世紀梨(にじっせいきなし)」の生産量が全国第1位で、二十世紀梨は鳥取を代表するブランドフルーツとして全国に知られています。みずみずしく、シャリッとした歯ごたえと、上品な甘みと爽やかな酸味のバランスが魅力です。砂丘で有名な鳥取は、実は梨の王国でもあり、夏から秋にかけて旬の梨を求めて多くの人が訪れます。
二十世紀梨と鳥取の梨づくり
二十世紀梨は、明治時代に千葉県で発見された品種で、その後鳥取に導入されて一大産地へと発展しました。水はけのよい土壌が栽培に適しており、丹精込めて育てられた梨は、透き通るような淡い黄緑色の果皮と、みずみずしい果肉が特徴です。生産者たちは、袋かけや摘果など手間ひまをかけて品質を守り続けており、鳥取の梨は全国に誇るブランドフルーツとして高い評価を得ています。
100年を超える栽培の歴史
千葉県松戸市で見出された二十世紀梨が鳥取県に導入されたのは1904(明治37)年、北脇永治(きたわきえいじ)の手によるものと伝えられ、ここから産地の歴史が始まりました。鳥取市観光サイトによると県内での栽培の歴史はすでに100年以上を数え、青梨の代表品種として国内の卸売数量は全国第1位を保っています。倉吉市の鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)には二十世紀梨の巨木が展示され、「梨と生きる『二十世紀梨』ものがたり劇場」など、産地の歩みをたどる展示が並びます。
二十世紀梨だけじゃない、鳥取の梨の品種
鳥取には二十世紀梨以外にも個性豊かな品種がそろい、夏から冬まで長く梨を楽しめます。
- 新甘泉(しんかんせん):平成20年に誕生した鳥取県育成のオリジナル品種で、交配親は「筑水×おさ二十世紀」。果重400g前後、糖度は14度前後(高いものは15度に達することも)で、早生の赤梨としては最高クラスの甘さ。あふれる果汁とシャリシャリの食感が持ち味で、収穫は8月下旬〜9月上旬。
- なつひめ:新甘泉と同じ「筑水×おさ二十世紀」から生まれた鳥取県育成品種。果重350g前後、糖度12度前後で、二十世紀梨より酸味が少なく甘みが強いのが特徴です。
- 王秋(おうしゅう):2003年に農林水産省が育成した晩生の赤梨。「慈梨(ツーリー)×二十世紀」×「新雪」という二十世紀梨の孫品種で、ラグビーボールのような楕円形が個性的。鳥取県が全国第1位の栽培面積を誇ります。
- 愛宕(あたご):「二十世紀×天の川」から1927年に菊地秋雄が育成した品種。大きいものは2kgを超える日本最大級の梨で、年末の贈答用としても知られます。
- 新雪(しんせつ):「晩三吉×今村秋」から1949年に新潟県農業試験場が発表した赤梨。全国的には生産が少ない希少な品種で、鳥取県がもっとも多く栽培しています。
おいしい二十世紀梨の見分け方
二十世紀梨の収穫は8月下旬から10月上旬まで続き、出荷のピークは9月です。鳥取市観光サイトによると、果皮全体が緑黄色になり、緑のなかに黄色い模様が散らばって見える「トラ熟れ」の梨は糖度が高いとされます。手に取ってずっしりと重いもの、表面に傷がないもの、左右対称の形のものが良品の目安。シャキッとした歯ざわりが好みなら黄緑色のもの、甘さ重視なら黄色みの強いものを選ぶとよいでしょう。
みずみずしい味わいの秘密
二十世紀梨の最大の魅力は、なんといってもその豊富な果汁とシャリシャリとした食感です。一口かじれば、爽やかな甘みと程よい酸味が口いっぱいに広がり、たっぷりの果汁がのどを潤します。冷やして食べると、暑い季節にぴったりの清涼感が楽しめます。すっきりとした上品な味わいは、後味も爽やかで、いくつでも食べたくなるおいしさです。
梨狩りと梨スポット
鳥取では、シーズンになると梨狩りが楽しめる観光農園が各地で開かれます。梨園で、自分で選んだもぎたての梨をその場で味わう体験は格別です。倉吉市の「鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)」では、梨の歴史や栽培について楽しく学べ、梨の食べ比べもできます。直売所では、その日に収穫された新鮮な梨が手に入り、贈答用としても人気です。砂丘観光とあわせて、鳥取の梨の魅力を存分に堪能できます。
梨狩りができる主なエリア
鳥取市福部町(ふくべちょう)には、鳥取砂丘から車で約3分の場所に約30軒の梨狩り園が連なり、「ふくべ梨狩り街道」と呼ばれています。日本海の潮風がわたる砂丘沿いの梨畑は、海と果樹園を一度に見渡せる産地ならではの風景です。多鯰ヶ池(たねがいけ)のそばにある「さんこうえん」は創業1904年の老舗観光農園で、収穫時期の異なる10品種以上を栽培し、11月中旬ごろまでにぎわいます。八頭町(やずちょう)の「はっとうフルーツ観光園」は道の駅「はっとう」のすぐそばで、梨のほかりんご・ぶどう・栗も味わえ、りんごと梨は園内食べ放題。若桜鉄道・徳丸駅から徒歩6分と、車がなくても果物狩りを楽しめます。
なしっこ館の楽しみ方と梨みやげ
鳥取二十世紀梨記念館には、1階に「梨を育てる」「梨と世界の人々」などの展示、2階に子ども向けの「不思議ガーデン」や資料展示室があり、雨の日でもゆっくり過ごせます。日替わりで品種が入れ替わる「本日の食べくらべ」では、同じ梨でも品種によって香りや歯ざわりがまるで違うことを実感できます。館内直営のフルーツパーラーの看板メニューは、東郷産の二十世紀梨をピューレにして使った「二十世紀梨ソフトクリーム」。梨をのせた「なしっこミニパフェ」も人気です(ラストオーダーは16:40)。生の梨が出回らない時期でも、鳥取市ふるさと物産館などでは二十世紀梨のジャムやようかん、梨のお茶、新甘泉のシロップなど、梨を生かした加工品が通年でそろいます。
ベストシーズンとアクセス
二十世紀梨の旬は8月下旬から9月で、梨狩りもこの時期に楽しめます。近年は新品種も増え、夏から秋まで長く梨を味わえるようになりました。アクセスは、観光農園へはJR山陰本線の鳥取駅・倉吉駅などから車やバスで。鳥取二十世紀梨記念館へはJR倉吉駅からバスで向かいます。鳥取砂丘など県内の名所めぐりとあわせて訪れるのもおすすめです。産地直送の取り寄せに対応する農園も多く、旬のみずみずしい梨を自宅でも楽しめます。二十世紀梨日本一の里で、旬の恵みを味わいましょう。
訪問の実用情報
- 見頃・ベストシーズン:二十世紀梨の旬は例年8月下旬〜9月。梨狩りもこの時期が中心で、農園によっては7月下旬〜11月中旬まで品種を替えて営業する。
- 料金:鳥取二十世紀梨記念館(エースパックなしっこ館)は大人300円、中学生・小学生150円、未就学児無料(10名以上・20名以上の団体割引あり)。梨狩りの入園料・食べ放題の有無・持ち帰り分の料金は農園ごとに異なるため、各農園の公式情報で確認を。
- 開催期間/営業時間:鳥取二十世紀梨記念館は9:00〜17:00(入館受付は16:40まで)。休館日は毎月第1・3・5月曜(祝日または振替休日の場合は休日でない翌日)と12月29日〜1月3日。
- アクセス:鳥取二十世紀梨記念館は鳥取県倉吉市駄経寺町198-4(倉吉パークスクエア内)で、最寄りはJR山陰本線・倉吉駅。観光農園は鳥取市(鳥取砂丘周辺)や倉吉市など県内各地に点在するため、車での移動が便利。
- 駐車場:鳥取二十世紀梨記念館は無料(普通車755台、バス13台)。
※梨園は生産者の私有地であり、収穫期は作業中の畑も多くあります。無断で園地に入ったり、園外の梨の木から実をもいだりすることは絶対にしないでください。梨狩りは受付を済ませてから入園し、食べ放題の場合でも園外への持ち出しは各農園のルールに従ってください。団体・繁忙期は事前予約が必要な農園が多いため、来訪前に電話・公式サイトで確認を。
(出典:エースパックなしっこ館(鳥取二十世紀梨記念館)公式サイト「ご利用案内」、鳥取市観光サイト(鳥取市観光コンベンション協会)梨狩り情報)
🧭 この記事に関連する特集
✍️ この記事について
この記事は、施設・社寺の公式サイトや、市区町村・観光協会が公開する観光案内、 国や自治体が公表する文化財・名勝の資料など、公的・一次情報をもとにたびたびJAPAN編集部が調べ、旅の計画に役立つ形に整理して作成しています。 料金・営業時間・開催日程などは変更される場合がありますので、お出かけの際は各施設・自治体の公式情報も併せてご確認ください。 編集方針の詳細