鳥取城跡・仁風閣|鳥取県おすすめ歴史観光スポット完全ガイド
鳥取城跡と仁風閣:因幡の名城と明治の洋館が共存する歴史公園
鳥取市のほぼ中心、久松山(きゅうしょうざん・標高263メートル)の山麓から山頂にかけて築かれた鳥取城跡は、戦国時代から幕末まで因幡(いなば)の中心地として機能した名城の遺構です。豊臣(羽柴)秀吉による「鳥取城の渇え殺し(かつえごろし)」と呼ばれる過酷な兵糧攻めの舞台としても知られ、その悲劇の歴史は数々の書物に描かれてきました。城跡には石垣や堀が良好に残り、緑豊かな久松公園として市民や観光客に親しまれています。国の史跡に指定されています。
全国唯一の球面石垣「天球丸の巻石垣」
鳥取城跡で必見なのが、天球丸(てんきゅうまる)にある「巻石垣(まきいしがき)」です。これは崩れかけた石垣を補強するため、1807年(文化4年)ごろに築かれたもので、半球状(球面)にカーブした珍しい構造をしています。もともと巻石垣は港湾や河川の護岸に用いられる工法で、城郭の石垣に採用された例は全国でもここだけといわれます。復元整備によって美しい姿がよみがえり、石積みの曲線美は写真映えも抜群。城郭ファンならずとも一見の価値があります。
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明治の貴賓館・仁風閣(じんぷうかく)
城跡のふもとに建つ仁風閣は、1907年(明治40年)に竣工したフランス風ルネサンス様式の白亜の洋館で、国の重要文化財に指定されています。旧鳥取藩主・池田家の別邸として建てられ、皇太子(のちの大正天皇)の山陰行啓の際の宿舎として使われました。設計は宮廷建築家・片山東熊(かたやま とうくま)が手がけています。支柱を用いないらせん階段や、緑の芝生が広がる宝隆院庭園(ほうりゅういんていえん)との調和が見どころで、白い洋館と日本庭園の対比が優雅な雰囲気を醸し出します。なお2023年12月29日からの保存修理工事中は建物が覆われ、外観・内部とも見学できません。宝隆院庭園は引き続き無料で見学できます。
季節の楽しみ方
久松公園は桜の名所としても名高く、春には多くのソメイヨシノが城跡を彩り、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。新緑の初夏や紅葉の秋も散策に心地よい季節。夏は木陰の多い園内が涼を求める市民の憩いの場となります。山頂の本丸跡まで登れば四季折々の鳥取市街と日本海を一望でき、季節ごとに異なる眺めが楽しめます。
アクセス・基本情報
JR山陰本線「鳥取駅」から100円循環バス「くる梨」緑コースで約8分、「仁風閣・県立博物館」バス停で下車してすぐ。駅から徒歩でも約20分の距離です。車の場合は鳥取ICから約15分。城跡(久松公園)は開放されており散策は自由です。ただし仁風閣は、文化財保存修理工事のため2023年(令和5年)12月29日から長期休館中で、建物内部は見学できません(令和11年度中の再開館予定)。休館中は敷地内のガイダンス施設「鳥取城跡・仁風閣 展示館」(入館無料)が開設されています。
旅の実用メモ
- 山頂の本丸跡までは片道30分ほどの軽登山。登山道は傾斜や段差があるため、歩きやすい靴で。雨後はぬかるむことがあります。
- 巻石垣は麓の天球丸エリアにあり、山頂まで登らなくても見学できます。ふもとの見どころと山上の展望はセットで巡ると充実します。
- 仁風閣・県立博物館・城跡が近接しているため、あわせて半日ほど見ておくとゆったり巡れます。
- 桜の時期は花見客でにぎわうため、静かに散策したいなら午前中の早い時間がおすすめです。
ひとことアドバイス
因幡の歴史を刻む石垣と、明治の優美な洋館が同居する、鳥取ならではの歴史公園。まずはガイダンス施設「鳥取城跡・仁風閣 展示館」と宝隆院庭園、巻石垣をじっくり見学し、体力に余裕があれば山頂へ。市街と日本海を一望する眺めが待っています。鳥取砂丘とあわせて市内観光の一日に組み込むのもおすすめです。
📚 情報の参照元
本記事は、鳥取市および鳥取市観光協会が公表する観光情報、国指定史跡・鳥取城跡や重要文化財・仁風閣に関する文化財資料を参考にまとめています。久松公園内に設けられた説明板も参照しました。仁風閣の開館時間や入館料などは変更される場合があります。お出かけ前に公式情報でご確認ください。
観光のチェックリスト
- 所要時間の目安: 城跡と仁風閣をあわせて散策するなら1〜2時間ほどを見込むとよいでしょう。
- 持ち物・準備: 山麓から山頂へ石垣や坂道を歩くため、歩きやすい靴が安心です。
- まわり方の目安: 麓の展示館・宝隆院庭園や石垣を先に見てから、体力に応じて山上部へと進むと巡りやすいです。
- 季節の楽しみ: 久松山の麓は桜の名所として知られ、春は花見とあわせて楽しめます。
- 注意点: 山頂部へは山道の上り下りがあるため、時間と体力に余裕を持って訪れてください。
訪問の実用情報
- 仁風閣は長期休館中:国指定重要文化財の仁風閣は、文化財保存修理工事のため2023年(令和5年)12月29日から約5年間の長期休館に入っています。再開館は令和11年度中の予定で、休館中は建物内部を見学できず、工事に伴い正門側からの通り抜けもできません。
- 代わりに開設されているガイダンス施設:敷地内に「鳥取城跡・仁風閣 展示館」があり、入館無料。開館は9時〜17時(入館は16時30分まで)、休館日は毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)・祝日の翌日・年末年始です。鳥取城跡と仁風閣の展示解説、日本100名城スタンプの押印、御城印・武将合戦印の販売を行っています。
- 宝隆院庭園:鳥取市名勝の宝隆院庭園は引き続き開園中で、無料で見学できます(休館日は入園できません)。
- 所在地・連絡先:鳥取市東町2丁目121/電話 0857-26-3595
- 駐車場:仁風閣・展示館には専用駐車場がありません。鳥取城跡周辺の各種駐車場を利用します(鳥取市公式サイトに「鳥取城跡周辺駐車場・路線バス情報」が掲載されています)。
- アクセス:JR鳥取駅から100円循環バス「くる梨」緑コースで約8分、「仁風閣・県立博物館」下車すぐ。路線バス約7分「西町」下車、徒歩約5分。土日祝はループ麒麟獅子バスで約9分、「鳥取城跡」下車すぐ。鳥取自動車道・鳥取ICから車で約20分。
- 鳥取城跡の復元整備の現況:平成17年度に策定した整備基本計画にもとづき、大手登城路の復元整備が進んでいます。中ノ御門表門が令和3年(2021年)春に完成、中ノ御門渡櫓門が令和7年(2025年)3月に竣工し、大手門にあたる中ノ御門全域の完成を記念した開門式が同年4月26日に行われました。令和7年度からは「二ノ丸三階櫓」の復元に向けた調査事業に着手しています。
- 天球丸の巻石垣:背後の石垣の崩落防止を目的に文化4年(1807)ごろ整備されたもので、平成24年(2012年)春に復元されました。城郭に用いられた例としては全国唯一です。
※仁風閣の休館日の表記は公式内で異なります(鳥取市公式・展示館公式は「月曜日(祝日の場合は直後の平日)」、鳥取市観光サイトは「月曜日(祝日の場合は開館)」)。訪問前に展示館(0857-26-3595)へご確認ください。 ※仁風閣再開館後の開館時間・観覧料、および久松公園周辺駐車場の台数・料金は公式で公表されていません。 (出典:鳥取市公式サイト「仁風閣及び宝扇庵」〈2026年3月25日更新〉・文化財課「鳥取城中ノ御門の復元について」、ガイダンス施設「鳥取城跡・仁風閣 展示館」公式サイト、鳥取市観光サイト torican)
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