東道後温泉|日帰り入浴の料金・営業時間・駐車場【愛媛】
松山市南久米町を中心とした久米地区一帯は、古くから「東道後温泉郷」と呼ばれてきました。道後温泉から東へ約4km、伊予鉄横河原線の久米駅のすぐそばに湯が湧き、独特のヌメりを持つアルカリ性単純温泉が地元の人たちに親しまれています。観光地としての華やかさはありませんが、成分表をきちんと掲示し、湯づかいを包み隠さず公開している点で、温泉好きが安心して通える場所です。
安政の地震と、道後へ帰った湯
東道後の湯には、はっきりした由来の物語が残っています。安政年間、伊予の地に大地震が起きたとき、四国八十八ヶ所四十九番札所・浄土寺の境内から湯が噴き出し、石段に滝のように流れ出したといいます。同じころ道後温泉の湯が止まってしまい、道後の人々は行列をつくって浄土寺へお百度参りをし、どうか道後へ湯を返してほしいと祈った。すると湯は元どおり道後へ帰っていった――この伝承に登場する湯を源泉としているのが、久米地区の温泉です。話の出どころは久米公民館発行の『久米郷土誌』と久米村誌発行会の『久米村誌』で、久米之癒の公式サイトに出典まで明記されています。
浄土寺に隣接する日尾八幡神社の境内には東道後神社があります。御祭神は天照大神、月夜見神、天之御中主神の三柱で、それぞれを日・月・星の光になぞらえて、かつては三光神社と呼ばれていました。戦後、日尾八幡神社の氏子の地に温泉が湧いたことから、その守護神として併せ祭り、東道後神社と改称されたと伝わります。久米之癒にある「日之岩盤浴」「月之岩盤浴」「星之岩盤浴」という三つの名前は、この神社に由来しています。
湯づかいを知っておく
東道後温泉の掲示によれば、源泉名は東道後温泉(第2・第3・第6・第8源泉)、源泉地は松山市南久米町239番地4ほか。泉質はアルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)で、第6・第8源泉の泉温は39.8度、pHは9.06です。分析は愛媛県立衛生環境研究所が行っています。ヌメりの正体は、このpH9台という高いアルカリ性です。
温泉法にもとづく掲示も公開されています。加水はなし、入浴に適した温度に保つため加温あり、温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用、入浴剤はなし、愛媛県の条例基準を満たすため塩素系薬剤を使用。つまり純然たるかけ流しではありません。ただし久米之癒では、水風呂の浴槽や洗い場のシャワー・カランから出る湯にまで東道後の温泉を使っており、湯を惜しまない使い方をしています。なお、浄土寺のそばに湧く東道後第4源泉は、現在「東道後のそらともり」で使われています。
訪問の実用情報
日帰りの中心は「東道後温泉 久米之癒(くめのゆ)」と「東道後のそらともり」の2館です。
- 泉質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)。泉温39.8度、pH9.06(東道後第6・第8源泉)
- 適応症:腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫、筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽い高コレステロール血症、軽い喘息、痔の痛み、自律神経不安定症、睡眠障害、うつ状態、病後回復期、疲労回復、健康増進、不眠症など
- 湯づかい:加水なし/加温あり/循環ろ過使用/入浴剤なし/塩素系薬剤による消毒あり
- 久米之癒の営業時間:11:00〜翌9:00の22時間営業、年中無休。9:00〜11:00の2時間のみ清掃で閉店します
- 久米之癒の料金:大人600円、こども(3歳以上小学生まで)200円。3歳未満は無料。サウナ利用込み。4:00〜9:00の朝風呂は大人500円
- 久米之癒の風呂:大浴場、露天風呂、ひのき風呂、寝転び足湯、サウナ(90〜100度)、水風呂(16〜19度)
- 星之岩盤浴:会員400円/一般600円(90分・座席指定制、浴衣とバスタオル1枚込み)。別途大浴場の入浴券が必要で、単独利用は不可。女性専用ですが男女ペアの場合は男性も利用できます。最終受付7:00、電話予約は不可でフロント受付
- タトゥー・刺青:久米之癒は大小問わず入浴不可と明記されています。手術や皮膚移植の傷跡をカバーする専用の入浴着は着用可
- 子ども・おむつ:久米之癒はおむつを使用している方の入館不可。乳児は浴室備え付けのベビーバスを利用します。7歳以上は異性の浴場に入れません。小学生以下だけでの入館も不可
- アメニティ:久米之癒はリンスインシャンプー・ボディソープ・ドライヤーが備え付け。タオルは持参するか、販売タオル・貸しタオルセットを利用します
- 支払い:久米之癒は各種クレジットカード、電子マネー、コード決済が利用可
- 久米之癒にないもの:宿泊施設、仮眠や横になれる休憩スペース、家族風呂・貸切風呂はありません。飲食物の持ち込みも不可(館内に食事処あり)
- そらともりの営業時間:日帰り温泉は5:00〜25:00(札止め24:00)、年中無休。25:00〜9:00のオーバーナイトステイは18歳以上限定
- そらともりの料金:大人(中学生以上)は会員1,350円+入湯税150円、一般1,750円+入湯税150円。子ども(小学生以下)は会員550〜750円、一般800〜1,000円、3歳以下無料
- そらともりの風呂:主浴槽、電気風呂、水風呂、ヒノキの三玉の湯、あつ湯、ぬる湯、ねころび湯、つぼ湯、タワーサウナ(ロウリュあり)。家族風呂は専用サイトからの予約制
- そらともりの駐車場:無料250台
- アクセス:伊予鉄横河原線・久米駅から徒歩3分(久米之癒)。伊予鉄バスは「久米駅前」下車、徒歩3分。車は松山道・川内ICから国道11号を松山方面へ、志津川交差点を右折して県道334号(旧国道11号)へ。松山ICからは国道33号を松山方面へ進み、天山交差点を右折、松山南部環状線経由で枝松交差点を右折。いずれも愛媛銀行久米支店を目印に曲がって約300m
- お遍路の途中に:四国八十八ヶ所四十九番札所・浄土寺から久米之癒まで徒歩8分
- 所在地:久米之癒=愛媛県松山市南久米町325-1(089-970-1126)/そらともり=松山市南久米町3番地1
使い分けの目安
600円で22時間開いている久米之癒は、松山観光の合間や早朝・深夜の時間つぶしに強い施設です。仮眠スペースがないので、長居して休むには向きません。逆に、ゆっくり滞在したい、家族風呂を使いたい、朝5時から入りたいという人はそらともりを選ぶことになります。料金差はそのまま滞在の質の差だと考えるとわかりやすいでしょう。刺青のある方は久米之癒を利用できないため、事前に確認しておく必要があります。
📚 情報の参照元
泉質、源泉名、泉温39.8度、pH9.06、適応症、加水・加温・循環ろ過・消毒の掲示内容は、久米之癒の公式サイト「東道後のお湯」ページに掲載された温泉成分表と、温泉法第14条第1項にもとづく掲示で確認しました(分析機関は愛媛県立衛生環境研究所)。営業時間・入浴料・朝風呂・星之岩盤浴の料金と条件、風呂の構成、サウナと水風呂の温度、タトゥーやおむつの扱い、アメニティ、支払い方法、アクセスは同サイトの施設ページ・よくある質問・アクセス欄によります。安政の地震と浄土寺の湯の伝承、東道後神社の由来は同サイトの「久米之癒の由来」ページに記載された『久米郷土誌』『久米村誌』からの引用に拠りました。そらともりの営業時間・入館料・浴槽構成・駐車場250台は東道後のそらともり公式サイトの店舗情報および温泉ページで確認しました。変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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