五塔ノ滝|渓谷に懸かる五段の名瀑【福岡・篠栗】
福岡県糟屋郡篠栗町、篠栗耶馬渓とも称される景勝地に懸かる五塔ノ滝は、篠栗の滝のなかで一番雄大で水量が豊富といわれる滝です。鳴淵川の上流にあたり、五段に重なる岩を流れ落ちる姿が五重の塔から水を落としたように見えることから、この名がつきました。落差は約20メートル。滝のすぐそばには篠栗四国八十八箇所の第70番札所「五塔ノ滝観音堂」があり、澄んだ滝つぼと深い森に囲まれて、静かな時間が流れています。
見どころ
- 五段に分かれて流れ落ちる、落差約20メートルの滝
- 馬頭観世音菩薩を本尊とする第70番札所・五塔ノ滝観音堂
- くっきりと澄んだ滝つぼに映る、桜・新緑・紅葉の移ろい
- 篠栗耶馬渓と呼ばれる渓谷の景観
篠栗霊場でただ一つの馬頭観音
第70番札所・五塔ノ滝観音堂の本尊は馬頭観世音菩薩です。四国霊場第70番・七宝山本山寺の本尊を勧請したもので、篠栗四国霊場ではこの堂だけの本尊にあたります。頭上に馬の頭をいただく馬頭観音は畜生道を救う観音とされ、牛馬を動力源としていた時代の農村で篤く祀られてきました。山あいのこの場所に馬頭観音が置かれた背景には、そうした暮らしの事情があります。
お堂はもともと「樹芸の森」の付近に祀られていたものが現在地に移されたもので、その後火災で全焼し、平成9年(1997年)に建て替えられました。守堂者の先祖は、篠栗霊場の開基者・藤木藤助とともに四国霊場を巡拝して霊砂を持ち帰った六人衆の一人、古屋藤三の曽孫にあたると伝えられています。
黒田藩主の別館があった谷
篠栗町の観光案内によれば、江戸期の地誌『筑前国続風土記』には、この辺りの里に黒田藩藩主の別館があったと記されています。福岡の城下から山をひとつ越えたこの谷が、藩主の保養の地として選ばれていたわけです。夏でも市街地より体感温度が下がる涼しさは、当時から変わらない魅力だったのでしょう。
季節の楽しみ方
春は滝つぼに映る桜と新緑、夏は涼やかな木陰、秋は鮮やかな紅葉と、四季の移ろいが色鮮やかに楽しめます。水量の豊かな滝なので、雨上がりには一段と迫力のある流れになります。
訪問の実用情報
- 見学時間・料金:見学自由・無料。安全のため日中の見学を
- 所在地:福岡県糟屋郡篠栗町大字金出(第70番札所の住所は金出3244-9)
- アクセス(車):鳴淵ダムから上流へ車で約5分。JR篠栗線(福北ゆたか線)筑前山手駅からは車で約10分
- アクセス(徒歩):JR篠栗線(福北ゆたか線)筑前山手駅から徒歩約40分
- 駐車場:10台
- トイレ:多目的トイレあり
- 御朱印:五塔ノ滝観音堂の御朱印は堂内で受けられます。受付時間や納経料は公表されていないため、確実に受けたい場合は篠栗町観光協会(092-947-1880/受付9:00〜17:00・不定休)へ事前に確認を
- 所要時間の目安:滝と観音堂の見学で30分〜1時間。篠栗四国霊場のほかの札所や周辺の滝もめぐるなら半日
- 足もと・服装:駐車場から滝までは近いものの、川沿いは濡れて滑りやすい箇所があります。歩きやすい靴で、雨のあとはとくに慎重に。山あいは冷えることもあるので、季節に応じた羽織りものを
- ベビーカー・車椅子:駐車場と多目的トイレまでは車で近づけますが、滝つぼの周辺は自然のままの岩場と土の道です。ベビーカーや車椅子での接近は難しいため、無理のない範囲でお楽しみください
- 雨天時:雨宿りできる施設はありません。雨の日は水量が増して迫力が出る一方、足もとは滑りやすくなります。雨脚が強いときは無理をせず、涅槃像で知られる南蔵院など、ほかの見どころへ切り替えるのも手です
- 混雑を避けるなら:駐車場が10台と小さいため、桜や紅葉の時期は時間をずらして訪れると安心です
- 火気・キャンプについて:篠栗町は樹芸の森公園や鳴淵ダム展望台広場などで宿泊を伴うキャンプを禁止しており、鳴淵ダム展望台広場では令和7年4月1日から火気の使用とバーベキューが全面禁止です。宿泊を伴うキャンプは若杉楽園キャンプ場を利用してください
- 予算の目安:見学は無料。札所めぐりや食事を含めても、日帰りなら少ない出費で充実した一日になります
- 問い合わせ:篠栗町役場 産業観光課 092-947-1217
📚 情報の参照元
落差約20メートル、所在地、鳴淵ダムから上流へ車で約5分・筑前山手駅から徒歩約40分というアクセス、駐車場10台と多目的トイレの有無、『筑前国続風土記』に黒田藩藩主の別館の記述があること、周辺施設での火気・キャンプの制限は、篠栗町公式ホームページの観光スポットのページで確認しました。第70番札所・五塔ノ滝観音堂の本尊が馬頭観世音菩薩であること、四国霊場第70番本山寺からの勧請で篠栗霊場唯一の本尊であること、樹芸の森付近からの移転と火災後の平成9年の再建、開基者・藤木藤助と六人衆の一人である古屋藤三に連なる守堂者の伝承、御朱印が堂内で受けられること、筑前山手駅から車で約10分という案内は、篠栗町観光協会の公式サイトの札所紹介ページによります。見学時間やアクセスの状況は変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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