福山城・バラまつり|広島県の観光と100万本の薔薇ガイド
広島県東部の福山市に位置する「福山城(ふくやまじょう)」は、1622年(元和8年)に水野勝成(みずのかつなり)によって築かれた城郭です。JR福山駅のすぐ目の前にあり、新幹線のホームからも天守を望めるという、全国でも珍しい立地が魅力。さらに福山市は「ばらのまち」としても知られ、市内では100万本ものバラが育てられています。歴史ある城と、まちを彩る色とりどりのバラを一度に楽しめる、福山ならではの観光が満喫できます。
見どころ
福山城は、江戸時代初期、徳川家康のいとこにあたる大名・水野勝成が、西国を抑える要衝として築いた城です。近世城郭としては最後期に築かれた壮大な城で、徳川幕府の威信を示しました。天守は1945年の福山空襲で焼失しましたが、1966年に市民の寄付を中心とした資金で再建され、福山のシンボルとして親しまれています。
空襲を免れた伏見櫓(ふしみやぐら)と筋鉄御門(すじがねごもん)は、国の重要文化財に指定されています。二の丸南西に建つ三重の伏見櫓は、京都の伏見城から移されたことを示す刻印が残る全国唯一の建物。筋鉄御門は本丸の正門にあたり、扉や柱を鉄板と鋲で固めた重厚な構えが名の由来です。どちらも伏見城の遺構として、きわめて価値の高い建築とされています。
天守内部は福山城博物館になっており、2022年8月に展示が大幅にリニューアルされました。3面の大型スクリーンを備えた福山城シアターや、デジタル技術を使った一番槍レース、火縄銃の体験展示など、子どもと一緒でも楽しめる構成です。
全国唯一の「北側鉄板張り」
2022年の築城400年記念の大改修で最も注目されたのが、天守北面を鉄板で覆う「北側鉄板張り」の復元です。天守の北側は本丸の外に近く、防御が手薄になりがちだったため、創建時には壁面が鉄板で覆われていました。この構造は全国でもここだけと言われています。
復元のきっかけは2021年5月、市内の住民から「自宅に保管している鉄板を寄贈したい」と申し出があったこと。調べたところ、それが焼失前の天守北面に張られていた本物の鉄板だと分かりました。この現物を科学的に分析し、姫路城や名古屋城に残る鉄板の構造とも比較したうえで工法が決められ、2022年8月27日に大改修が完了しています。黒く光る北面は、駅のホーム側から見える南面の白壁とはまったく印象が異なるので、ぜひ城のまわりを一周して見比べてみてください。
1,000本のバラから始まったまち
福山市が「ばらのまち」となった背景には、戦災からの復興の歴史があります。空襲で中心市街地のほとんどが焼けたあと、荒廃したまちに潤いを取り戻そうと、1956年(昭和31年)、南公園(現在のばら公園)付近の住民がバラの苗約1,000本を植えたのが始まりでした。植えて2か月後にはバラ愛好家の団体による第1回のバラ展示会が開かれ、翌年には市主催の展覧会へと発展します。
その輪が広がり、今では市内全域で100万本のバラが咲くまちになりました。中心となるばら公園(花園町1-5)では670種7,000本が育てられています。JR福山駅北口から中心部循環バス「まわローズ」青ルートで「ばら公園前」下車。駐車場は普通車26台で、1時間まで無料です。見ごろの5月中旬には市内最大のイベント「福山ばら祭」が開かれ、まちが花と香りに包まれます。
訪問の実用情報
- 入館料(福山城博物館):一般500円。高校生以下は無料。20人以上の団体は400円。特別展は別料金
- 開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日〜31日。展示替えによる臨時休館あり
- 無料で見られる範囲:石垣や櫓が並ぶ城内の散策は無料です
- アクセス(電車):JR福山駅北口から徒歩5分。山陽新幹線も停車します
- アクセス(車):福山東ICから約20分
- 駐車場:29台、有料。8時〜22時は30分ごとに150円(1時間を超えると30分ごとに100円)、夜間は1時間ごとに100円。展覧会の利用で1時間無料になります
- 所要時間の目安:天守(博物館)の見学と城内の散策で1〜2時間。ばら公園まで足をのばすなら半日みておくと安心です
- 雨天時:天守内部は屋内なので雨でも見学できます。城内の散策路は屋根がないため、雨具の用意を
- 足もと・服装:駅北口から城までは坂と階段を上ります。城内は砂利や石段が多いので、歩きやすい靴で
- ベビーカー・車椅子:広場から天守台へ、天守台から博物館入口へと2か所にスロープがあり、館内には地階から5階まで結ぶ11人乗りのエレベーターがあります。車椅子の方や体の不自由な方、妊娠中の方が優先して使える運用です。受付から地階へ向かう階段には階段昇降機が2基、1階展示室と小天守売店の間には段差解消機が設置されています
- 混雑を避けるには:バラの見ごろとなる5月中旬の週末は市内が混み合います。城だけを見るなら開館直後が静かです
- 予算の目安:入館料500円と交通費が中心。ばら公園は入園無料です
- あわせて訪ねるなら:福山は鞆の浦(とものうら)や尾道など、風情ある港町への玄関口でもあります
- 所在地:広島県福山市丸之内一丁目8番
📚 情報の参照元
入館料・開館時間・休館日・所在地・駐車場の料金は福山城博物館の公式サイトの利用案内と、福山市ホームページの施設紹介ページで確認しました。エレベーターやスロープ、階段昇降機などのバリアフリー設備は同館公式サイトのバリアフリー案内、天守北側鉄板張りの復元経緯は福山市の広報記事によります。ばら公園の品種数・本数・駐車場・アクセス、および「ばらのまち」の成り立ちは福山市ホームページのばら公園紹介と「ばらのまち福山の歴史」を参照しました。料金・時間・イベントの日程は変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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