照國神社六月灯|灯籠が照らす夏祭りの日程【鹿児島】
鹿児島の夏は、灯籠の明かりとともに始まります。六月灯は旧暦6月にちなむ行事で、いまは主に7月、県内各地の神社や寺院がそれぞれ日を決めて開く夏祭りです。県民は親しみを込めて「ロッガッドー」と呼びます。なかでも最大規模なのが、鹿児島市の中心部に鎮座する照國神社の六月灯。御祭神である島津斉彬公の命日にあたる新暦7月16日に合わせ、毎年7月15日と16日の2日間、約800灯の絵灯籠が境内を埋め尽くし、およそ10万人の参拝者が訪れます。
800灯の絵灯籠が並ぶ参道
日が傾くころ、白い大鳥居の下から参道を見上げると、木枠に和紙を張った灯籠がずらりと連なっています。描かれているのは、保育園や幼稚園の子どもたち、そして小学生から高校生までが手がけた絵が中心です。魚や花火、桜島、家族の顔、ときどき文字だけの力強い一枚。中の明かりが和紙越しに透けると、絵の具の濃淡がそのまま光の濃淡になり、昼間に見るより色が深くなります。1灯ずつ描き手が違うため、同じ絵は1枚もありません。歩きながら順に見ていくと、鹿児島の子どもたちの1年分の視線をたどっているような気分になります。風が通ると和紙が小さく鳴り、明かりがゆっくり揺れます。
屋台と人の波、そして斉彬公
参道と境内には屋台がびっしりと並びます。かき氷のシロップの匂い、たこ焼きの鉄板の音、金魚すくいの水音。浴衣姿の家族連れや高校生の集団が、ゆっくりとしか進まない人の流れに身を任せています。境内の奥には、幕末に集成館事業を興した島津斉彬公の銅像が立ち、その先に社殿があります。照國神社は文久3年に斉彬公へ「照國大明神」の神号が贈られたのを受け、翌元治元年に創建されました。西南戦争と戦災で社殿を失い、現在の鉄筋コンクリート造の社殿は1958年に復興したものです。灯籠の明かりの向こうに白い社殿が浮かぶ光景は、鹿児島の夏の定番の眺めになっています。
六月灯という風習の始まり
六月灯の始まりは、島津家19代の光久が新照院の上山寺観音堂に多くの灯籠を灯したことにあると伝えられます。これに倣って人々が神社や寺院に灯籠を寄進するようになり、やがて県内各地の風習として定着しました。氏子の家では灯籠の木枠を大切に保管しておき、その年の絵や文字を書いた和紙を張って社寺に納めます。7月に入ると鹿児島市内のあちこちの寺社で連夜のように六月灯が開かれ、月末まで続きます。ひとつの祭りの名前というより、鹿児島の夏そのものを指す言葉と言ったほうが近いかもしれません。
楽しみ方のコツ
2日間で約10万人が訪れるため、参道は夜になるほど混み合います。灯籠をゆっくり見たいなら、日没直後、明かりが入って空にまだ青みが残っている時間帯が狙い目です。灯籠の光と薄暮の空が同時に写るので、写真も最もきれいに残ります。石段や砂利の参道を歩くので、浴衣で行くなら下駄より歩きやすい履物のほうが無難。7月中旬の鹿児島は夜も蒸し暑く、飲み物と汗を拭くものは持っておきたいところです。小さな子どもと一緒なら、人の流れが緩む本殿裏手や境内の広い場所で休憩を挟むとよいでしょう。昼間に城山と鶴丸城址をめぐって島津家の足跡をたどってから夜の六月灯に向かうと、斉彬公を祀る神社としての意味がぐっと立体的になります。
アクセス
照國神社は鹿児島市照国町、天文館のすぐ北西にあります。市電の「天文館通」電停から徒歩約5分、観光周遊バスのカゴシマシティビュー「西郷銅像前」からは徒歩約3分です。境内には普通車用の駐車場がありますが、六月灯の2日間は周辺の道路も含めて大変混み合うため、市電やバスでのアクセスが確実です。天文館の繁華街から歩いていけるので、夕食のあとにそのまま向かう人も少なくありません。
祭りの実用情報
- 開催時期:毎年7月15日・16日(御祭神 島津斉彬公の命日である新暦7月16日に合わせて実施)
- 会場:照國神社(鹿児島県鹿児島市照国町19-35)
- 主催・問い合わせ:照國神社 099-222-1820
- アクセス:市電「天文館通」電停から徒歩約5分/カゴシマシティビュー「西郷銅像前」下車 徒歩約3分
- 駐車場:境内に普通車の駐車場あり。ただし当日は大変混雑するため公共交通機関が便利です
- 公式サイト:https://terukunijinja.jp/
※日程・内容・料金は変更される場合があります。おでかけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
(出典:照國神社公式サイト、鹿児島県神社庁公式サイト、かごしま市観光ナビ(鹿児島市観光公式サイト)、鹿児島県観光サイト「かごしまの旅」)
📍 場所・アクセス
🧭 この記事に関連する特集
✍️ この記事について
この記事は、施設・社寺の公式サイトや、市区町村・観光協会が公開する観光案内、 国や自治体が公表する文化財・名勝の資料など、公的・一次情報をもとにたびたびJAPAN編集部が調べ、旅の計画に役立つ形に整理して作成しています。 料金・営業時間・開催日程などは変更される場合がありますので、お出かけの際は各施設・自治体の公式情報も併せてご確認ください。 編集方針の詳細