湯の川温泉|日帰り入浴の料金・営業時間・駐車場【北海道】
函館の南東、松倉川の最下流に湧く湯の川温泉。登別・定山渓と並んで北海道三大温泉郷のひとつに数えられ、函館空港から車で5分、市電の「湯の川」電停からも歩ける、日本でも屈指の交通至便な温泉街です。地名の由来はアイヌ語の「ユ(湯)+ペツ(川)」というのが定説とされています。
1653年、松前藩主を癒した湯
湯の川温泉の発祥として伝わるのが1653年(承応2年)の出来事です。松前藩9代藩主の高広(幼名・千勝丸)が難病にかかり日ごとに悪化していたところ、母の清涼院が「松前城の東にある温泉に行けばどんな病も治る」という夢を見ます。その湯で千勝丸を湯治させるとまもなく全快し、藩は礼として薬師堂を再建し鰐口を奉納しました。
それより200年前の1453年(享徳2年)には、木こりが湧き湯を見つけ、後に負傷した際にその湯で腕の痛みを癒したという言い伝えがあります。礼に薬師如来を刻んで小さな祠を建てたのが湯倉神社の始まりとされます。
箱館戦争の折には、旧幕府軍の榎本武揚が傷病兵をこの地で療養させ、榎本自身も入湯したと伝わります。隣町の「榎本町」の名は彼にちなむといわれ、町内には「湯の川 野戦療養所跡」が残ります。
温泉街として本格的に賑わい始めたのは明治に入ってから。当初は湯量が少なく温度も低かったのですが、明治18年に石川藤助が100度以上・毎分140リットルの湯を掘り当て、翌明治19年に湯治場を開業したことで一変します。明治20年には現在の電車通が開通、明治31年に馬車鉄道、大正2年に電車、大正7年には日本初の有料道路が海岸線に通り、昭和20年頃まで「函館の奥座敷」と呼ばれる歓楽地として栄えました。
湯づかいを知っておく
湯の川温泉の湧出量は日量7,000トン(毎分4,861リットル)以上。源泉は函館市が所有・管理するものが9本、民間所有が13本の計22本にのぼります。この土地では井戸水を掘ろうとしても100mほどの掘削で温泉が出てしまうほど、地下は温泉で満たされています。源泉温度は井戸によって差はあるものの平均して65度前後と高温で、浴槽清掃後に湯を張る際は適温にするための加水を行うことがあります。
湯の川には上層階に大浴場や露天風呂を置くビル型のホテルが多く、その場合はポンプで湯を送り戻すため循環の仕組みが必要になります。旅館協同組合の説明によれば、加盟施設では新しい温泉を絶えず注ぎながら古い湯を捨てる「放流・循環併用式」の採用が多いとのこと。完全なかけ流し(放流式)の浴槽を求めるなら、宿ごとの表示を確認してから選ぶのが確実です。
気軽に入るなら温泉銭湯「大盛湯」
市電「湯の川」電停から徒歩2分。番台で入浴料を払う昔ながらの温泉銭湯です。前身は戦前からの「青木浴場」で、昭和29年の湯川大火で焼失したのち、翌30年に「大盛湯」と改めて新築。現在の建物は1991年の新装によるものです。
浴室には洗い場が18か所、湯温の異なる浴槽が3つ。60〜65度の源泉を加水せず熱交換だけで55度ほどに落とし、いちばん熱い浴槽に注いでいます。あふれた湯が隣、そのまた隣へと流れるにつれ自然に温度が下がる仕組みで、熱い順におよそ49度・45度・42度。加水しないぶん温泉成分がそのまま味わえるのが持ち味ですが、熱い湯が苦手なら一番ぬるい浴槽から慣らすのが安全です。
訪問の実用情報
- 泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉(大盛湯)。塩分を含むため湯冷めしにくい湯です
- 適応症:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、冷え性
- 源泉温度:温泉地全体で平均65度前後。大盛湯の泉温は63.5度で、浴槽は42〜49度
- 湯づかい:大盛湯は加水せず熱交換で温度を調整。温泉街のホテルは「放流・循環併用式」を採用する施設が多い
- 大盛湯の営業時間:午前9:00〜12:00、午後15:00〜21:00の二部制。昼は一度閉まるので時間に注意
- 大盛湯の定休日:水曜
- 入浴料:大人500円、小学生150円、幼児(6歳未満)80円
- アメニティ:シャンプーや石けんの備え付けはありません。タオルを含む「お風呂セット」の用意があり、手ぶらでも入れます
- 露天風呂・貸切風呂:大盛湯にはありません(内湯のみ)
- 足湯:温泉街に無料の足湯「湯巡り舞台」(函館市湯川町1-16-5)があります
- 駐車場:大盛湯は10台
- アクセス:函館空港から車で約5分。市電「湯の川」電停下車、大盛湯までは徒歩2分。所在地は北海道函館市湯川町2丁目18-23
- 函館市熱帯植物園:湯川町3丁目にあり、園内に足湯があります。開園は4月1日〜10月31日が9:30〜18:00、11月1日〜3月31日は9:30〜16:30。名物のサル山温泉は冬期間限定で、2026年は12月からの開始が予定されています(冬期以外もサルの見学は可能)
- 所要時間の目安:入浴だけなら1時間ほど。湯倉神社や足湯めぐりを加えて半日
- 混雑を避けるなら:大盛湯は地元の常連客が多く、夕方以降が賑わいます。落ち着いて入るなら午前の営業時間か、午後の再開直後が狙い目です
- 支払い:番台で直接入浴料を払う昔ながらの方式です
📚 情報の参照元
温泉の発祥(1653年の松前藩主・高広の湯治)、湯倉神社の起源、榎本武揚と箱館戦争の逸話、明治18年の石川藤助による掘削、湧出量・源泉本数・平均源泉温度・放流/循環ろ過/放流・循環併用式の湯づかいについては、函館湯の川温泉旅館協同組合の公式サイト「湯の川温泉の歴史」ページによります。大盛湯の入浴料・泉質・泉温・浴槽温度・駐車場・アクセス・沿革は、函館市公式観光情報サイト「はこぶら」のスポット紹介および同組合公式サイトのみどころページの記載をもとにしています。大盛湯の営業時間と定休日は北海道公衆浴場業生活衛生同業組合の銭湯検索の掲載内容によります。函館市熱帯植物園の開園時間とサル山温泉の実施時期は、同園公式サイトのお知らせによります。変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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