偕楽園梅まつり|茨城県の日本三名園の春の見どころ
茨城県水戸市にある偕楽園(かいらくえん)は、金沢の兼六園・岡山の後楽園と並ぶ日本三名園の一つです。2月から3月にかけて約100品種3,000本の梅が咲き誇り、園内は甘い香りと色とりどりの花に包まれます。なお偕楽園本園は有料エリアで、入園料は大人320円・小人160円(20名以上の団体は大人240円・小人130円、70歳以上は半額)。茨城県民は梅まつり期間を除いて無料、また梅まつり期間を除く開門〜午前9時までの入園も無料です。早春を彩る「梅まつり」は水戸の風物詩として、毎年多くの花見客でにぎわう人気のイベントです。
偕楽園の歴史
偕楽園は、江戸時代後期の1842年、水戸藩第九代藩主・徳川斉昭(とくがわなりあき)によって造園されました。「民と偕(とも)に楽しむ」という理念のもと、藩主だけでなく領民にも開放された点が、当時としては画期的でした。斉昭は飢饉に備える実用面も考えて梅を多く植えたといわれ、その梅が現在の名所としての偕楽園を形づくっています。
梅まつりと好文亭(こうぶんてい)
梅まつりの期間中、園内では「水戸の六名木」をはじめとする多彩な梅が次々と花開き、紅白の花が斜面を埋め尽くします。夜のライトアップや、野点(のだて)の茶会などの催しも楽しめます。
園内に建つ「好文亭」は、徳川斉昭が文人や家臣を招いて詩歌を楽しんだ風雅な建物です(入館は本園とは別料金で、大人230円・小人120円)。最上階からは梅林や千波湖(せんばこ)を望む素晴らしい眺めが広がり、四季折々の景色を堪能できます。
ベストシーズンとアクセス
「水戸の梅まつり」は2026年は2月11日(水・祝)〜3月22日(日)に開催されました(次回の日程は水戸観光コンベンション協会の公式サイトでご確認ください)。園内の梅は早咲き・中咲き・遅咲きがあり、長い期間にわたって花を楽しめます。秋の萩や、新緑の季節も美しく散策が楽しめます。
アクセスはJR常磐線の偕楽園駅(梅まつり期間中だけ開設される臨時駅)下車すぐ。ただしこの駅は下りホームしかなく、開設日の限られた時間帯(2026年は9:45〜16:35)に水戸・いわき方面へ向かう下り列車しか停車しません。帰りには使えないので注意してください。通年で使えるのは水戸駅北口4番・6番のりばからの路線バスで、偕楽園まで約20分です。隣接する千波湖周辺も散策に人気で、湖畔をのんびり歩きながら水戸の自然を満喫できます。徳川家ゆかりの史跡とあわせて巡るのもおすすめです。
園内の見どころ ― 「陰」から「陽」へ
偕楽園は「陰と陽」の世界観を意識して造園されたといわれます。好文亭表門から入ると、まず迎えてくれるのが孟宗竹の竹林。国内最大級の竹である孟宗竹が千本以上植えられ、日中でも光の落ち着いた静かな空間が続きます。続く大杉森には、徳川家が水戸に入るはるか以前、鎌倉時代初期からこの地を見つめてきたという杉の巨木が並びます。なかでも「太郎杉」は樹齢約八百年、幹の周囲は約四・五メートルにおよぶ大木です。
さらに進むと湧水施設の吐玉泉。この一帯は古くから湧水が多く、一日およそ百トンもの水が湧き出しています。かつてこの水は眼病に効くといわれ、好文亭の茶室・何陋庵での茶の湯にも用いられました。こうした「陰の世界」を抜けた先に、明るく梅林が開ける「陽の世界」が広がる——表門から入るこの順路をたどってこそ、斉昭が意図した園の構成を体感できます。
このほか園内には、斉昭が自らの思想を記した「偕楽園記碑」、水戸八景の一つを刻む「僊湖暮雪碑」、一八八九年四月五日に来園した正岡子規の句碑などが点在します。南崖には延長百五十メートルにおよぶ採石場跡の洞窟も残ります。なお好文亭表門は、昭和二十年の戦火にも焼け残り、創設当初から幾度かの修理を経て今日まで受け継がれてきた建物です。
「水戸の六名木」を探して歩く
約百品種三千本という梅のなかでも、花の形・香り・色などがとくに優れているとされる六品種は「水戸の六名木」と呼ばれます。「江南所無(こうなんしょむ)」「白難波(しろなにわ)」「月影(つきかげ)」「虎の尾(とらのお)」「柳川枝垂(やながわしだれ)」「烈公梅(れっこうばい)」の六つです。ただ漫然と梅林を歩くのではなく、この六本を探しながら回ると、一本ごとの違いが見えてきて、梅の見方が一段と深まります。品種によって咲く時期がずれるため、六名木すべてが同時に見頃を迎えるとは限りません。何度か足を運ぶ楽しみがある、というのが梅の名園らしいところです。
梅だけではない四季の偕楽園
偕楽園といえば梅の印象が強いものの、園は四季それぞれに表情を持っています。春は桜。令和元年の台風で倒れた「左近の桜」は、令和五年三月に後継の苗木が植えられ、次の世代へと引き継がれました。初夏は新緑が美しく、夏は孟宗竹林の緑陰が涼やかです。秋には萩が咲き、「水戸の萩まつり」が開かれて、しっとりとした風情の園内を歩けます。そして冬は人影もまばらな静けさのなか、早咲きの梅がぽつぽつと花を開き始め、次の春の気配が漂います。
撮影のコツ
梅は一輪をアップで狙うより、枝ぶりごと切り取ったほうが表情が出ます。紅白が入り混じる斜面では、少し離れて望遠で圧縮すると花の密度が上がって見え、園の華やかさが伝わります。好文亭の最上階からは梅林と千波湖を見下ろせるので、俯瞰の一枚はぜひここから。孟宗竹林はまっすぐ上を見上げる構図が定番で、光がやわらかいぶん一日を通して撮りやすい場所です。梅まつりの期間中は夜間のライトアップイベントも行われますが、開催日や園内の条件は年によって変わるため、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。三脚を使う場合は、通路をふさがないよう周囲への配慮を忘れずに。
訪問の実用情報
- 見頃・ベストシーズン:偕楽園の梅は約100品種3,000本。早咲き・中咲き・遅咲きがあり、長い期間にわたって楽しめます。
- 開催期間/ライトアップ:「水戸の梅まつり」は2026年は2月11日(水・祝)〜3月22日(日)に開催されました。次回の会期は水戸観光コンベンション協会の公式サイトでご確認ください。期間中は「偕楽園 UME The Lights」「夜・梅・祭」などの夜間イベントも行われます(日程は公式サイトで要確認)。
- 料金:偕楽園本園は大人320円・小人160円(20名以上の団体は大人240円・小人130円、70歳以上は半額)。茨城県民は梅まつり期間を除いて無料、また梅まつり期間を除く開門〜午前9時までの入園も無料です。好文亭は別料金で大人230円・小人120円(団体大人170円・小人90円、70歳以上半額)。
- 開園時間:偕楽園本園は2月中旬〜9月30日が6:00〜19:00、10月1日〜2月中旬が7:00〜18:00。好文亭は9:00〜17:00(入館16:45まで)/10月1日〜2月中旬は9:00〜16:30(入館16:15まで)。
- アクセス:JR水戸駅北口バスターミナル4番のりば(茨城交通)または6番のりば(関東鉄道)から約20分。高速道路からは常磐道・北関東道いずれも約20分。
- 駐車場:偕楽園下駐車場168台(1日800円)、千波湖西駐車場178台(1日500円)、桜川駐車場301台(無料)、千波湖中央付近 計180台(無料)。
- 服装・装備:2〜3月の水戸は冷え込みます。園内は斜面と坂道が多いため、防寒着と歩きやすい靴を。
※【JR偕楽園駅は「帰り」に使えません】JR常磐線の偕楽園駅は梅まつり期間中だけ開設される臨時駅で、下りホームしかありません。開設日の限られた時間帯(2026年は9:45〜16:35)に水戸・いわき方面へ向かう下り列車しか停車しないため、東京方面へ戻る際には利用できません。帰りは水戸駅までバスを利用してください。
(出典:偕楽園公式サイト(茨城県)「ご利用案内」、水戸の梅まつり公式ホームページ(水戸観光コンベンション協会)「アクセス情報」)
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