苗村神社|縁結びと豊穣の国宝神社・滋賀竜王の鎮守の森
滋賀県竜王町にある苗村神社は、田園のなかにこんもりと広がる鎮守の森に抱かれた古社です。式内社にさかのぼる古い歴史を持ち、近郷三十三か村にわたる広い地域に氏子を持つ総鎮守として敬われてきました。国宝と重要文化財が同じ境内に並び立つ神社でありながら、観光地として大きく宣伝されることは少なく、平日はほとんど人に会わないほど静かです。
国宝の西本殿と、茅葺の楼門
苗村神社の境内は、日野川に近い集落の中で東西に分かれています。
参道を進んで最初に出会うのが、大永2年(1522年)に再建された楼門です。三間一戸の楼門に茅葺の屋根がどっしりと載る姿は、社寺建築としては珍しく、国の重要文化財に指定されています。田園の風景のなかで、この茅葺の屋根が目印になります。
楼門をくぐった先にあるのが国宝の西本殿。徳治3年(1308年)の再建で、三間社流造・桧皮葺。鎌倉時代後期の神社本殿建築として高く評価されており、祭神は国狭槌命(くにのさつちのみこと)です。屋根の反りと向拝の意匠が端正で、森の緑を背にした姿は静かな迫力があります。
東参道を進むと、重要文化財の東本殿へ。こちらの祭神は大国主命と素盞嗚尊です。境内にはほかにも八幡社本殿、十禅師神社本殿、神輿庫が重要文化財に指定され、不動堂には重要文化財の木造不動明王立像が安置されています。ひとつの境内にこれだけの指定文化財が集まる神社は多くありません。

三十三年に一度の大祭
苗村神社を語るうえで欠かせないのが「三十三年式年大祭」です。もともと大祭は毎年9月5日に行われていましたが、慶長4年(1599年)、氏子である三十三か村の数にちなんで33年に一度と定められました。
直近では平成26年(2014年)10月11日から13日の3日間にわたって斎行され、慶長からかぞえて13回目。その前は昭和57年(1982年)でした。次回は2046年の予定です。人の一生に一度か二度しか巡ってこない祭りを、四百年以上にわたって数え続けている――その事実そのものが、この土地の信仰の粘り強さを物語っています。
訪問の実用情報
- 拝観時間:9:00〜17:00
- 拝観料:無料
- 所在地:滋賀県蒲生郡竜王町綾戸467(電話 0748-57-0160)
- 駐車場:普通車20台、大型車5台
- 電車・バスでのアクセス:JR近江八幡駅の北口から近江鉄道バス「アウトレットパーク行き」で約15分、「綾戸北」下車、徒歩2分。南口からは「ダイハツ竜王行き」で約20分、「川守」下車、徒歩15分
- タクシー:JR近江八幡駅から約15分
- 車でのアクセス:名神高速道路の竜王インターチェンジから車で約10分、蒲生スマートインターチェンジからも車で約10分
- 所要時間の目安:楼門から西本殿、東参道を通って東本殿まで巡って30〜40分
- まわり方:楼門をくぐって国宝の西本殿へ、そこから東参道を進んで重要文化財の東本殿へ。二つの本殿を見比べると、造りの違いがよくわかります
- ご利益:縁結び、商売繁盛、五穀豊穣、安産・子宝など、暮らしに寄り添う信仰が伝えられています
- 御朱印:公式サイトに授与の案内がないため、必要な方は事前に社務所(0748-57-0160)へ確認するのが確実です
- 混雑を避けるなら:普段から参拝者は多くなく、時間帯を選ぶ必要はほとんどありません。木漏れ日の美しい午前中がとくに気持ちよく歩けます
- 雨天時:境内は屋外で、雨宿りできる建物は限られます。本殿は覆屋の外から拝観する形なので、雨の日は傘が必須です
- 足もと・服装:参道は土と砂利の道が中心で、雨上がりはぬかるむことがあります。歩きやすい靴で。社殿の前には石段があります
- ベビーカー・車椅子:境内は比較的平坦で敷地も広いものの、参道が砂利敷きのため車輪は取られやすく、介助があると安心です
- 年末年始:氏子青年会により、参詣者に甘酒が無料でふるまわれます
- 予算の目安:参拝は無料。周辺で食事や買い物をする分だけを見込んでおけば十分です
- 周辺:車で足をのばせば三井アウトレットパーク滋賀竜王や、佐々木源氏ゆかりの沙沙貴神社(近江八幡市安土町)にも行けます
📚 情報の参照元
拝観時間・拝観料・駐車場の台数・所在地・電話番号・国宝と重要文化財の指定内容・祭神・年末年始の甘酒のふるまいは、滋賀県観光情報(滋賀・びわ湖観光情報)の苗村神社のページで確認しました。バス路線とバス停名、徒歩の所要時間、タクシー、名神高速の竜王インターチェンジ・蒲生スマートインターチェンジからの所要時間は、苗村神社公式サイトのアクセスページによります。西本殿が徳治3年(1308年)再建であること、楼門が大永2年(1522年)再建であること、三十三年式年大祭が慶長4年(1599年)に33年ごとと定められ、平成26年(2014年)に13回目が斎行され次回が2046年であることは、苗村神社公式サイトの式年大祭の案内および滋賀県の文化財解説を参考にしました。拝観時間や交通機関の情報は変更されることがあるため、おでかけ前に公式情報でご確認ください。
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