福井県グルメ|越前ガニ・ソースカツ丼・へしこ
越前ガニ
日本海が育む冬の味覚の王様。福井県内の港(越前・三国・敦賀・小浜など)に水揚げされた雄のズワイガニで、水揚げ漁港を刻印した黄色いタグが付けられたものが「越前がに」です。2018年(平成30年)9月27日には地理的表示(GI)保護制度に登録され、タグにはGIマークも付きます。なお雌のズワイガニは「せいこがに」と呼ばれます。茹で・焼き・刺身・鍋と、どんな調理法でも濃厚な甘みと旨みが堪能できる、福井を代表するブランドガニです。
ソースカツ丼
福井県民のソウルフード。薄めの豚カツをサクッと揚げ、特製のウスターソースにくぐらせてご飯の上にのせた、シンプルながら奥深い一杯です。キャベツを敷かないスタイルが福井流で、ソースが染みたご飯まで美味。ボリューム満点で食べ応え抜群です。
へしこ
鯖などの魚を塩と糠(ぬか)に漬けてじっくり熟成させた、若狭地方の伝統的な発酵食品。噛むほどに広がる濃厚な旨みと塩気は、温かいご飯のお供や酒の肴に最適。あぶって食べたり、薄切りで刺身風に味わったりと、福井の食卓に欠かせない保存食です。
越前おろしそば
挽きぐるみの黒っぽいそばに、辛みのある大根おろしとかつおだし、ねぎ、削り節をかけて味わう福井名物。ピリッとした大根おろしとそばの香りが絶妙に調和し、冷たくのど越しよく、何杯でも食べられる素朴な美味しさです。「越前そば」の名は、一九四七年(昭和二十二年)に昭和天皇が福井県へ来県された際、おろしそばを二杯召し上がり、後年も「あの越前のそば…」と懐かしまれたことに由来すると伝えられます。
羽二重餅
絹織物「羽二重」の名を冠した福井を代表する銘菓。もち米と砂糖、水飴で作られた餅は、まるで絹のようになめらかでとろけるような食感。上品な甘さで、お茶うけやお土産として長く愛されています。
ベストシーズン
越前がにの漁期は福井県公式によると、雄がにが11月6日〜翌年3月20日、雌の「せいこがに」は11月6日〜12月31日、脱皮直後で殻が柔らかい「水がに」は2月19日〜3月20日です。そのほかの名物は通年楽しめます。福井市内・越前市に郷土料理店が多数あります。
アクセス
福井市内・越前市に郷土料理店が集まります。越前がには越前町・三国の料理旅館などで、雄がにの漁期にあたる11月6日〜翌年3月20日に堪能できます(雌のせいこがには12月31日まで)。
油揚げ・厚揚げ——消費額日本一の食卓
福井を語るうえで外せないのが油揚げです。農林水産省「うちの郷土料理」によると、総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯/2017〜2019年平均)で、福井県は油揚げの消費額が50年以上にわたり全国1位。しかも福井で「油揚げ」といえば、他県で「厚揚げ」と呼ばれる、分厚くずっしり重量のあるものを指します。
背景にあるのが、浄土真宗の信仰が篤い土地柄です。開祖・親鸞の祥月命日前後、秋から新年にかけて営まれる最大の年中行事「報恩講」は、福井では「ほんこさん」「おこさま」と呼ばれ、そのお斎(食事)にごちそうとして厚揚げを使った料理が添えられてきました。かつてはどの町内にもおおむね1軒は豆腐屋があり、大豆を豆腐や油揚げと交換したといい、家庭にも広く根づいたと伝えられます。
代表的な食べ方が「厚揚げの煮たの」。熱湯で油抜きし、味がしみるよう十文字に切り目を入れて、だし汁・酒・みりん・醤油で15分ほど弱火でことこと煮て、火を止める寸前にしょうが汁を落とします。箸を入れると外はしっかり、中はふわりと汁を含み、大豆の香ばしさが立ちのぼる——報恩講の時期に限らず、家庭でも飲食店でも通年味わえる福井の日常食です。
でっち羊かん——福井の冬の風物詩
「でっち羊かん」は、寒い時期に食べる水羊かんです。一般に水羊かんは夏の菓子ですが、福井では冬の風物詩として親しまれてきました。名前の由来には諸説あり、大正から昭和にかけて京都へ丁稚(でっち)奉公に出た若者が、正月の帰郷時に持ち帰った羊かんが発祥という説が知られます。持ち帰った羊かんを近所に配るため水で伸ばしてつくり直したことから水羊かん状になり、糖度が低くても大丈夫な冬に食べられるようになったとも。菓子屋で「こねあわせる」ことを「でっちる」といったからという説もあります。
特徴は大きさと食べ方にもあります。現在はA4サイズ・高さ2センチほどの平箱に、切れ目を入れた状態で入っており、添えられた木べらで切れ目に沿ってすくって食べます。つるんとした口あたりで、小豆や砂糖の量が通常の羊かんより少ないぶん値段も庶民的。こたつに入って食べるのが昔ながらの習慣です。嶺北地方では「水ようかん」とも呼ばれ、黒砂糖を使う店もあります。県内の和菓子店でつくられ、大野市では食べ比べができる「でっち羊かんまつり」も開かれています。
若狭と京都を結んだ「鯖街道」
へしこの背景にあるのが、若狭と京都を結んだ道の歴史です。へしこは若狭地域や越前海岸沿岸の伝統料理で、魚の内臓を取り出して塩漬けにし、さらに糠に漬けることで長期保存を可能にしたもの。厳しい冬を越すための貴重なたんぱく源で、江戸時代の中ごろにはすでにつくられ始めていたといわれます。名の由来には、漁師が魚を樽に漬けこむことを「圧(へ)しこむ」といい、「へしこまれたもの」が縮まったとする説や、塩漬けで出た水分「干潮(ひしお)」がなまったとする説などがあります。
若狭でとれた魚介は「若狭街道」を通って京都へ運ばれましたが、そのなかでも主に塩漬けにしたサバが運ばれたことから、近年この道は「鯖街道」と呼ばれるようになりました。へしこはサバのほかイワシ、イカ、フグなどでもつくられ、嶺北地方ではイワシを糠漬けにした「こぬか(こんか)いわし」がよく食べられます。塩味と旨みが強く燻製にも似た風味で、へしこを使った「なれずし」は、かつて正月などハレの場に欠かせないごちそうでした。長期保存食なので通年味わえます。
訪問の実用情報
- 越前がにの漁期(福井県公式):雄がに 11月6日〜翌年3月20日/雌の「せいこがに」 11月6日〜12月31日/脱皮直後で殻が柔らかい「水がに」 2月19日〜3月20日。せいこがには資源保護のため年内で終漁するので、年明け以降は味わえません。
- 越前がにの定義:福井県内の港(越前・三国・敦賀・小浜など)で水揚げされたズワイガニで、産地証明として黄色いタグが付けられます。タグには水揚げ漁港が刻印されます。黄色いタグは1997年に越前町漁業協同組合が全国で初めて導入したものです。
- GI(地理的表示)登録:「越前がに」は平成30年(2018年)9月27日に地理的表示保護制度に登録され、黄色タグにGIマークが付きます。
- 越前おろしそばの食べ方:福井市公式観光サイトによると、だしのかけ方は「だしと大根おろしを別々にかける」「だしに大根おろしを入れてかける」「だしに大根おろしの汁だけを入れてかける」の3通り。食べ終えたあとは、そば湯をだしとともに味わいます。
- 越前おろしそばの由来:昭和22年(1947年)、昭和天皇が来県された際におろしそばを2杯召し上がり、後年「あの越前のそば…」と懐かしまれたことに由来すると伝えられます。
- 注意点(アレルギー):そば・かに(甲殻類)は、いずれも消費者庁が容器包装された加工食品に表示を義務づける「特定原材料」です。そばアレルギー・甲殻類アレルギーは重篤な症状につながることがあるため、心当たりのある方は必ず事前に店へ確認してください。
※料理旅館・個店の営業時間・料金は施設により異なります。越前がには時価・予約制の店が多いため事前予約をおすすめします。
(出典:福井県ホームページ「冬の味覚の王者『越前がに』」、越前町公式観光サイト「えちぜん観光ナビ」、福井市公式観光サイト「福いろ」、消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」)
🧭 この記事に関連する特集
✍️ この記事について
この記事は、施設・社寺の公式サイトや、市区町村・観光協会が公開する観光案内、 国や自治体が公表する文化財・名勝の資料など、公的・一次情報をもとにたびたびJAPAN編集部が調べ、旅の計画に役立つ形に整理して作成しています。 料金・営業時間・開催日程などは変更される場合がありますので、お出かけの際は各施設・自治体の公式情報も併せてご確認ください。 編集方針の詳細