岐阜県グルメ|飛騨牛・鶏ちゃん・みたらし団子
岐阜には、ブランド和牛の飛騨牛をはじめ、鶏ちゃんやみたらしだんごなど、山里ならではの個性豊かな味覚が数多くあります。豊かな自然と清らかな水、四季のめぐみに恵まれた岐阜では、土地ごとに根づいた郷土の味が受け継がれてきました。高山の古い町並みや白川郷など、観光とあわせて味わう岐阜のグルメは、旅の大きな楽しみのひとつです。
岐阜が誇るブランド和牛・飛騨牛
飛騨牛は、飛騨牛銘柄推進協議会が定めた基準を満たしたものだけが名乗れる、岐阜県のブランド和牛です。協議会によると、岐阜県内での飼養期間が最も長いこと、登録された生産者が肥育したこと、14か月以上肥育された黒毛和種であること、日本食肉格付協会の枝肉格付で肉質等級3・4・5等級に格付けされたこと、の4条件を満たしたものに「飛騨牛」の表示ラベルが交付されます。きめ細かな霜降りと、とろけるような舌ざわり、豊かなうまみが持ち味です。澄んだ空気と清らかな水に恵まれた飛騨地方で、丹精込めて育てられた牛は、上品な甘みのある脂が特徴です。ステーキや焼肉、しゃぶしゃぶで味わうのはもちろん、高山の町並み散策の途中で、飛騨牛にぎりや串焼きを食べ歩くのもおすすめ。手軽に絶品の和牛を楽しめます。
郷土の味・鶏ちゃん
「鶏ちゃん(けいちゃん)」は、岐阜県の飛騨・奥美濃地方に伝わる郷土料理です。一口大に切った鶏肉を、味噌や醤油ベースのタレに漬け込み、キャベツなどの野菜とともに鉄板や鍋で豪快に焼いて食べます。にんにくの効いた濃いめの味付けでご飯が進み、家庭料理として、また居酒屋や食堂の定番メニューとして親しまれています。各家庭や店ごとにタレの味が異なり、味噌味・醤油味と食べ比べるのも楽しみのひとつです。
みたらし団子とご当地スイーツ
岐阜のみたらし団子は、甘いタレが一般的な団子とは異なり、醤油の香ばしさが際立つ「焼き団子」が特徴です。しょうゆだれをつけてこんがりと焼き上げた素朴な味わいで、きつね色に焦げたしょうゆの香りが食欲をそそります。高山では「みだらしだんご」とも呼ばれ、飛騨の名物として親しまれています。古い町並みを散策しながら、焼きたての団子を頬張るのは格別です。このほか、栗きんとんや五平餅など、岐阜には山の恵みを生かした郷土のおやつが数多くそろっています。
ベストシーズンとアクセス
岐阜のグルメは一年中楽しめますが、栗きんとんは秋、温かい鶏ちゃん鍋は冬がいっそう美味です。アクセスはJR高山本線で高山方面へ、または名古屋から各地へ電車や車で向かいます。飛騨牛やみたらし団子は高山の古い町並み周辺で、鶏ちゃんは飛騨・奥美濃地方で本場の味が楽しめます。白川郷や下呂温泉など岐阜の名所めぐりとあわせて、山里が育んだ豊かな味覚を堪能する旅を楽しみましょう。
囲炉裏の香り「朴葉味噌」
飛騨・高山地域を代表する郷土料理が「朴葉味噌(ほおばみそ)」です。農林水産省「うちの郷土料理」によると、大きな朴(ほお)の葉の上に自家製のこうじ味噌をのせて焼いた料理で、ご飯によく合い、酒の肴にも向くとされます。朴の木は葉の大きな落葉広葉樹で、朴葉には抗菌作用があり、包むと食べ物が日持ちして、よい香りが移るといわれます。
由来には諸説ありますが、林業が盛んだった飛騨で、山仕事を生業とする杣人(そまびと)たちが、山中で朴葉を皿代わりにして焼き味噌をしたのが始まりと伝えられます。冬は食材が凍るほど寒さが厳しい土地だったため、囲炉裏の火に朴の葉を敷き、漬物や味噌を温めながら食べたのだそうです。使うのは、秋に茶色く落ちた葉を冬になる前に集めて保存したもの。
葉の上で味噌がふつふつと泡立ちはじめると、焦げた味噌と朴葉の香りが一度に立ちのぼります。炭火で焼くのがいちばんとされますが、ホットプレートやフライパンでも朴葉の香りは引き立ちます。近年は味噌だけでなく、飛騨牛やキノコ、ネギを一緒にのせるものも登場しました。県内各所の土産物店や特産品販売所でも売られており、高山市の「メイド・バイ飛騨高山」にも認定されています。
山の仕事から生まれた「五平餅」
東濃地域と飛騨地域で親しまれてきたのが「五平餅」。つぶした米を串に巻きつけ、たれをつけて焼いた郷土料理で、長野県の木曽・伊那地方から岐阜県東濃地方東部、愛知県三河地方にかけて食べられています。
始まりは江戸時代中期、木曽地域やその周辺で、木こりたちが木材の伐採で出た切れ端に飯を握りつけ、たき火で焼いて味噌をつけて食べたことだとされます。やがて山仕事の無事を祈って神に捧げられるようになり、新米の収穫祝いや祭事の場でも食べられるようになりました。神に捧げる「御幣(ごへい)」に形が似ていることが名の由来と一般にいわれますが、川中島の戦いで美濃出身の「五平」という人物が兵に振る舞ったのが始まりとする説もあります。
形はわらじ形、平たい団子形、丸い団子形と地域や家庭でさまざま。たれも味噌味・醤油味・両者を合わせたものの3系統があり、中山道を境に北は醤油味、南は味噌味が多いといわれます。隠し味にはくるみや落花生が使われることが多く、店ごとの個性を食べ比べるのも楽しみ。焼き上がりの香ばしい湯気は、山里の秋そのものです。県内のサービスエリアや道の駅、観光地の軽食店でもよく売られています。
中津川発祥の秋の菓子「栗きんとん」
「栗きんとん」といえばおせち料理を思い浮かべる人も多いのですが、東濃地区を中心とした岐阜の栗きんとんはまったくの別物。一度蒸した栗の実を砂糖と炊き上げ、布巾で栗の形にかたどっただけのシンプルな和菓子で、栗そのものの風味を存分に味わえます。
発祥の地とされる中津川市は県内有数の栗の産地であり、江戸時代には幕府直轄の幹線道路・中山道の重要な宿場町として発展しました。独自の文化とともに茶の湯文化も盛んになり、お茶に合う菓子が求められて菓子職人が腕を競い合い、特産の栗を使った菓子が次々に生まれた——その一つが栗きんとんだと伝えられています。
9月9日は重陽の節句、別名「栗節句」で、昔から長寿を祈って栗料理や栗菓子を食べる日でした。今も9月上旬から12月上旬にかけて、東濃地区を中心とした産地の和菓子店に栗きんとんが並び、県内外から多くの人が中津川を訪れます。店ごとに味わいや食感のこだわりが異なるため、食べ比べを楽しめる商品も開発されています。
清流が育む鮎と、1300年の鵜飼
木曽川・長良川・揖斐川をはじめ清流の多い岐阜県では、毎年6月ごろから10月ごろにかけて各地で鮎漁が盛んに行われます。なかでも有名なのが1300年の歴史を誇る「鵜飼」で、御料鵜飼で獲れた鮎は皇室や伊勢神宮へ奉納されています。もう一つの伝統漁法が、川の流れをせき止め、木杭や竹で組んだ仕掛けに川魚を流し込む「ヤナ」。夏になると美山観光ヤナや板取川洞戸八幡ヤナなど各地に「観光ヤナ」が設けられ、鮎のつかみ取り体験や鮎料理が楽しめます。
鮎料理の王道は塩焼きです。縦に串を刺して炭火などでじっくり焼くと、余分な水分が落ちて旨みが凝縮し、鮎特有の香りが立ちのぼります。塩焼きに向くのは脂ののった7月から8月の成魚とされますが、8月以降の卵をたっぷり抱えた子持ち鮎も美味だといわれます。川べりの店で、串に刺さった一尾を頭からかじる——岐阜の夏を体で味わうなら、これ以上の一品はありません。
訪問の実用情報
- 飛騨牛の認定基準:飛騨牛銘柄推進協議会によると、①岐阜県内の飼養期間が最も長いこと、②協議会の登録農家制度で認定・登録された生産者が肥育したこと、③14か月以上肥育された黒毛和種であること、④日本食肉格付協会の枝肉格付で肉質等級3・4・5等級であること、の4条件をすべて満たしたものだけに「飛騨牛」表示ラベルが交付されます
- みたらしだんご:岐阜県観光公式サイトによると、飛騨のみたらしだんごはあっさりしたしょうゆ味で、きつね色に焦げたしょうゆの香ばしい香りが特徴です。全国的な甘いタレのものとは味わいが異なります
- 主な提供エリア:飛騨牛の食べ歩きやみたらしだんごは高山の古い町並み周辺、鶏ちゃんは飛騨・奥美濃地方
- 旬の時期:栗きんとんなど栗菓子は秋
- アクセス:高山方面へはJR高山本線を利用します
- 注意点(生食):牛の生レバーを飲食店等で提供することは、食品衛生法の規格基準により禁止されています。加熱用として提供されたものは、中心部まで十分に加熱してから食べてください
- 注意点(鶏肉):鶏肉を生や加熱不十分な状態で食べると、カンピロバクターによる食中毒のおそれがあります。鶏ちゃんは中心部までしっかり火を通し、生肉に触れた箸と食べる箸を分けてください
※個店の営業時間・料金は店舗により異なります。
(出典:飛騨牛銘柄推進協議会公式サイト、岐阜県観光公式サイト「岐阜の旅ガイド」、厚生労働省)
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