山形県グルメ|芋煮・だし・さくらんぼの店
山形は、芋煮・だし・さくらんぼをはじめ、四季の恵みが豊かに実る食の宝庫です。最上川がもたらす肥沃な大地と、内陸盆地の寒暖差が、米や果物、野菜を甘く育てます。山の幸も海の幸もそろい、家庭の味から名店の逸品まで、訪れるたびに新しいおいしさに出会える、味覚の楽しみに満ちた土地です。
秋の風物詩・芋煮
山形の秋を象徴する郷土料理が「芋煮(いもに)」です。里芋・牛肉・こんにゃく・ネギを醤油ベースの汁で煮込んだ鍋料理で、秋になると河原に集まって大鍋を囲む「芋煮会」が各地で開かれます。山形市の馬見ヶ崎川河川敷(双月橋付近)では、毎年敬老の日の前日にあたる日曜日に「日本一の芋煮会フェスティバル」が開かれ、巨大な鍋で炊き上げた芋煮が振る舞われます。地域によって味付けは異なり、内陸は醤油・牛肉、庄内は味噌・豚肉と、食べ比べも楽しみのひとつです。
夏に涼やかな郷土料理「だし」
山形の夏の食卓に欠かせないのが「だし」です。きゅうり・なす・みょうが・大葉などの夏野菜を細かく刻み、しょうゆなどで味付けした料理で、ご飯や豆腐にのせて食べます。ねばりのある食感とさっぱりとした風味が、暑さで食欲が落ちる夏にぴったりです。野菜をたっぷり摂れる健康的な一品として、今では全国に知られるようになりました。各家庭で具材や味付けに個性があるのも魅力です。
日本一のさくらんぼと果物
山形は「果樹王国」とも呼ばれ、なかでもさくらんぼは、山形県によると全国生産量の約4分の3を占める日本一の産地です。初夏に実る「佐藤錦」をはじめ、桃・ぶどう・西洋なし「ラ・フランス」など、季節ごとにさまざまな果物が旬を迎えます。観光果樹園での果物狩りも人気で、もぎたての甘さを味わえます。フルーツを使ったスイーツやジュースも豊富で、山形の豊かな大地の恵みを存分に楽しめます。
山形県民のソウルフード・玉こんにゃく
「玉こん」の愛称で親しまれる玉こんにゃくは、3cm程度の球状のこんにゃくを、醤油とスルメの出汁で煮含めた山形県民のソウルフードです。板こんにゃくや糸こんにゃくは全国的に普及していますが、玉こんにゃくは山形県ならではの食文化。観光地や催事場では串に刺した状態で販売され、ファストフード感覚で頬張ります。こんにゃくと縁が深いのが、山形市にある宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)、通称「山寺」です。平安時代に創建された寺院で、開山した慈覚大師(円仁和尚)が中国から持ち帰ったこんにゃくを寺の精進料理に使いはじめ、それが周辺住民にも普及し、やがて県内一帯に広がっていったと伝わります。現在も山寺周辺の飲食店や出店で販売されており、本堂へ向かうには1015段の階段を登らなければならないことから、その前に食べる「力こんにゃく」として観光客の人気を集めています。醤油の香りをまとった熱々を串からつるりと外して噛むと、独特の弾力が歯を押し返してきます。1年中食べられますが、寒い時期の温かい一串は格別です。
冬の庄内を代表する どんがら汁
日本海に面する庄内地域の冬の味覚が「どんがら汁」、別名「寒鱈汁」です。「鱈」の字が魚偏に雪と書くとおり、マダラは雪の降る季節に旬を迎える魚。庄内地域では、二十四節気の寒の季節(1月上旬から2月上旬ごろ)にとれるマダラを“寒ダラ”と呼び、この時期、産卵のために集まってきた寒ダラを底びき網で漁獲する寒鱈漁が盛んになります。「どんがら」とは、あらを指す言葉。寒ダラの頭から尻尾まですべて余すことなく使うあら汁であることからこの名がつきました。もともとは漁師が浜で食べていた漁師料理といわれ、1月中旬から2月にかけて家庭でつくられるほか、旅館や料理店では冬の名物メニューとして提供されます。毎年1月には酒田市や鶴岡市を中心に「寒鱈まつり」が開かれ、どんがら汁が振る舞われます。トロリとした食感の白子も、この季節ならではの楽しみです。
冬を越す知恵・納豆汁
雪深い山形では、食材が不足する冬を乗り越えるための保存食として、納豆を自家製するのが珍しくありませんでした。煮た大豆をわらでつくった筒に詰め、こたつの脇など温かいところに一晩から二晩おいて納豆をつくっていたといいます。「納豆汁」は、その納豆をすり鉢で粒が見えなくなるまでよくすりつぶし、とろみをつけて汁に馴染ませる冬の家庭料理。からとり芋の茎を干してつくる「いもがら」は欠かせない食材で、豆腐や油揚げ、山菜、きのこもたっぷり入る、かつては貴重なタンパク源でした。納豆のとろみで冷めにくく、寒い冬に体を温める汁物として各家庭で受け継がれてきました。雪深い地域では早春に七草を揃えることができないため、村山地域では七草の時期に納豆汁を食べて1年間の無病息災を祈る習慣があり、最上地域では元旦や1月3日に、庄内地域では12月9日の「大黒様のお歳夜(おとしや)」に食べられることもあります。
ベストシーズンとアクセス
芋煮は秋、だしは夏、さくらんぼは主力の露地栽培が6月中下旬に出荷のピークを迎え、加温ハウス栽培を含めると5月から7月中旬ごろまで楽しめます。アクセスはJR山形新幹線「つばさ」で東京から山形駅までおよそ2時間30分〜3時間、各地の名店へは在来線や車で向かいます。山形空港も利用できます。郷土料理を出す食堂や、果物狩りができる観光農園が県内各地にあるので、旬の時期を狙って訪れるのがおすすめ。山と里が育む山形の味覚を、季節とともに堪能しましょう。
訪問の実用情報
- さくらんぼ:山形県によると全国生産量の約4分の3を占める日本一の産地です。加温ハウス栽培は5月ごろから出荷が始まり、主力の露地栽培は6月中下旬が出荷のピーク。県内では5月から7月中旬ごろまで楽しめます
- 品種:「佐藤錦」のほか、「紅きらり」や新品種「やまがた紅王」なども栽培されています
- 芋煮:秋が本番。味付けは地域で異なり、内陸は牛肉・しょうゆ味、庄内は豚肉・みそ味です
- 日本一の芋煮会フェスティバル:山形市の馬見ヶ崎川河川敷(双月橋付近)で、毎年敬老の日の前日にあたる日曜日に開催されます。整理券の配布や配食開始時刻は年により変わるため、山形市および実行委員会の公式情報を確認してください
- だし:夏が旬。きゅうり・なす・みょうが・大葉などの夏野菜を細かく刻んでつくります
- アクセス:JR山形新幹線「つばさ」で東京から山形駅までおよそ2時間30分〜3時間。山形空港も利用できます
- 注意点:観光果樹園の果物狩りは、天候や生育状況によって開園時期・営業時間・料金が変わります。訪問前に各園の公式情報を確認してください
※個店の営業時間・料金は店舗により異なります。
(出典:山形県公式ホームページ「さくらんぼの話のタネ」、山形市公式ホームページ「日本一の芋煮会フェスティバル」)
🧭 この記事に関連する特集
✍️ この記事について
この記事は、施設・社寺の公式サイトや、市区町村・観光協会が公開する観光案内、 国や自治体が公表する文化財・名勝の資料など、公的・一次情報をもとにたびたびJAPAN編集部が調べ、旅の計画に役立つ形に整理して作成しています。 料金・営業時間・開催日程などは変更される場合がありますので、お出かけの際は各施設・自治体の公式情報も併せてご確認ください。 編集方針の詳細