御燈祭り|神倉神社の火祭りの見どころと日程【和歌山】
和歌山県新宮市に鎮座する神倉神社の例祭が、毎年2月6日の夜に行われる御燈祭りです。白装束に荒縄を締めた上り子と呼ばれる男たちがおよそ2000人、神倉山の山上で分けられた御神火を松明に受け、538段の急な石段を一気に駆け下ります。暗い山肌を炎の帯が流れ落ちるさまは、熊野の冬を締めくくり春を呼ぶ光景として知られ、2016年3月2日に「新宮の速玉祭・御燈祭り」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
山を流れ落ちる火の帯
日が落ちると、新宮の町のあちこちから白装束の一団が神倉山へ向かい始めます。上り子は白襦袢に白の鉢巻や頭巾、手甲脚絆を着け、腰から腹にかけて荒縄を巻いた姿。松明を手に石段を上り、山門の内側にぎっしりと詰めて開門を待ちます。
やがて御神火が起こされて松明に移されると、山上には火の海が広がります。開門の合図とともに、押し合いながら人と炎が一気に石段へ流れ出す。538段の石段は急峻で、両側の斜面から見ると、火の粉を散らしながら細い光の帯が山を駆け下っていくように見えます。麓に届いた上り子たちの歓声、燃え残る松明の煙、冷たい夜気に混ざる木の焼けるにおい。数分のうちにすべてが過ぎていくため、その密度がいっそう記憶に残ります。
一日がかりで進む神事
御燈祭りは夜の数分間だけの行事ではありません。当日は午前中に神饌の準備が行われ、夕方には祭典の執行と警護にあたる介釈が修祓を受けて熊野速玉大社へ向かいます。神職と介釈の一行が神倉神社に入り、午後7時すぎに御神火が起こされて神事が始まると、大松明がいったん中の地蔵へと向かいます。上り子が出立するのは午後8時ごろ。下山した神職の一行はそのあと阿須賀神社を経て熊野速玉大社へ戻り、長い一日が終わります。
翌2月7日には奉祝祭が営まれ、午後には餅捲きも行われます。舞台となる神倉神社は、熊野三山に祀られる熊野権現が初めて地上に降臨したという伝承をもつ古社です。権現山の麓から538段の石段を上りつめた先にご神体のゴトビキ岩がそびえ、そこは新宮市随一の眺望でも知られます。その岩の下から火が湧き出し、町へ流れ落ちてくるという構図を知って眺めると、祭りの受け取り方も変わってきます。ふだんの神倉神社を先に訪ねて石段を自分の足で上っておくと、当日の光景がより立体的に見えるはずです。
楽しみ方のコツ
祭りに参加できるのは男性のみで、当日の午後からは女人禁制となります。また、許可を受けた者以外は入山が制限されるため、一般の見物は麓の沿道からになります。駆け下りてくる炎を見上げる場所こそが、この祭りの特等席です。
2月の熊野の夜はよく冷えます。待ち時間が長くなるので、厚手のコートと手袋、使い捨てカイロは用意しておきたいところ。石段付近は大変な混雑になるため、小さな子ども連れや足に不安のある方は、少し離れた通りから炎の流れを眺めるほうが安全です。火の粉が飛ぶ可能性を考えると、化学繊維よりも綿の上着のほうが安心できます。三脚を広げる余裕はほとんどないと考えておいてください。
アクセス
会場の神倉神社は新宮市神倉1丁目にあり、JR紀勢本線の新宮駅から徒歩15分から20分ほどです。当日は神倉神社周辺の道路が駐車禁止となり、午後6時から午後10時まで車両通行が規制される区間があります。観光客用の駐車場は午後3時に閉鎖されるため、車の場合は熊野速玉大社近くの河原臨時駐車場を利用することになります。夕方以降は町なかも人の流れが増えるので、鉄道で新宮駅に入り、歩いて向かうのが確実です。
祭りの実用情報
- 開催時期:毎年2月6日の夜(翌2月7日に奉祝祭・餅捲き)
- 会場:神倉神社(和歌山県新宮市神倉1-13-8)
- 主催・問い合わせ:熊野速玉大社社務所 0735-22-2533/新宮市商工観光課 0735-23-3357
- アクセス:JR新宮駅から徒歩15分から20分ほど
- 駐車場:観光客用駐車場は午後3時に閉鎖。熊野速玉大社近くの河原臨時駐車場を利用
- 交通規制:神倉神社周辺道路は駐車禁止。午後6時から午後10時まで車両通行規制区間あり
- 料金:観覧無料
- その他:参加は男性のみ。当日午後より女人禁制。許可を受けた者以外の入山は制限されます
- 公式サイト:https://kumanohayatama.jp/
※日程・内容・料金は変更される場合があります。おでかけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
(出典:熊野速玉大社公式サイト、新宮市公式サイト、新宮市観光協会公式サイト、和歌山県公式観光サイト、文化遺産オンライン(文化庁))
📍 場所・アクセス
🧭 この記事に関連する特集
✍️ この記事について
この記事は、施設・社寺の公式サイトや、市区町村・観光協会が公開する観光案内、 国や自治体が公表する文化財・名勝の資料など、公的・一次情報をもとにたびたびJAPAN編集部が調べ、旅の計画に役立つ形に整理して作成しています。 料金・営業時間・開催日程などは変更される場合がありますので、お出かけの際は各施設・自治体の公式情報も併せてご確認ください。 編集方針の詳細